JAL国内線屈指の”神席”まもなく消滅 異例のコスパ「+数千円でゴロ寝席」 後継はどうなる?

2023年上期をもって全機退役予定のJAL国内線の「ボーイング777-200ER」。この機には、JAL国内線屈指の”神席”があります。コスパが良すぎるこの座席を利用できる機会も、あとわずかです。

「国際線仕様ほぼそのまま」で国内線に

 JAL(日本航空)の国内線で使用されてきた「ボーイング777-200ER」が、2023年上期をもって全機退役する予定です。これにともなって、JALの国内線では異例の快適さをもつ座席の利用機会がひとつ失われることになります。

 ボーイング777は「ジャンボ・ジェット」こと747シリーズに代わるような形で、JALの大型主力機で運用されてきたモデルです。同社の国内線では一部の特殊な路線を除き、標準型の777-200、胴体延長タイプの777-300、そして今回退役が発表された航続距離延長型の777-200ER、計3タイプの777シリーズを運用してきました。 今回退役するボーイング777-200ERは、2002年8月に運航を開始。導入以来長らく国際線をメインで担当してきました。しかし777-200および-300は、搭載エンジンの問題により2021年2月に運航を停止。そのまま定期便に戻ることなく、2020年度末(2021年3月末)をもって全機退役となりました。777-200ERはこれら2タイプと入れ替わるように国内線機材へ転換され、これまで数年間、おもに羽田発着の国内幹線などへ投入されています。 国際線仕様機はフライト時間が長いことから、内装が国内線仕様機より豪華になっているのが一般的です。そのようななかJALは、777-200ERを、国際線仕様の客室をほぼそのまま活用し、国内線に定常的に就航させたのです。 たとえば、これまでの777-200および-300の場合、普通席は横3-4-3列。しかし777-200ERでは、ロングフライト時の乗客の快適性を確保するため、横2-4-3列にし、1座の横幅を広くしているのが特徴です。また、全席にシートモニターなどが備わります。 普通席でさえ、他の機種より快適性が高かったといえるJALの777-200ERですが、上位クラスにはさらに、”神席”が存在します。

JAL「777-200ER」にある神席とは

 JALの国内線には、3つの座席クラスが存在します。「国内線ファーストクラス」「クラスJ」「普通席」です。この中間クラスにあたる「クラスJ」は、JALのなかでも屈指の人気を誇る座席です。「クラスJ」のサービス内容自体は普通席より少しドリンクの種類が増える程度ですが、普通席より広く快適なシートを、普通席運賃にプラス1000円~3000円(当日アップグレードの場合)で選ぶことができます。 JALの777-200ERは、国際線仕様機時代、「ビジネスクラス」と「エコノミークラス」の2クラスの構成でした。この「ビジネスクラス」は、フルフラットシートを特長とする「JAL SKY SUITE III」です。これがそのまま国内線へ転用されたことで、「JAL SKY SUITE III」を「クラスJ」扱いで乗ることができるのです。

 777-200ERが定常投入されていた国内幹線は今後、JALが2019年から導入を進めてきた最新鋭旅客機「エアバスA350-900」がおもに担当することになります。こちらの「クラスJ」はフルフラットシートこそありませんが、JAL国内線最新仕様の客室となっています。 また、ビジネスクラスをそのまま転用していたことから777-200ERの「クラスJ」は26席しかなく、”神席”を確保するのには高いハードルがありましたが、A350-900の「クラスJ」は56~94席に。「クラスJ」席の確保のしやすさという意味では、大きな改善が期待できます。

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