
下町情緒を感じることができる京成立石駅周辺で、複数の再開発計画が進んでいます。今後はどう変わるのでしょうか?
「立石駅南口西地区」の施設計画が明らかに
東京都葛飾区にある京成押上線の京成立石駅では、駅の南北で再開発計画が進んでいます。将来的には駅も高架化される見通しで、街は様変わりすることになります。今後どのように変わっていくのでしょうか。
京成立石駅周辺では、「立石駅北口地区」「立石駅南口東地区」「立石駅南口西地区」の3か所で再開発計画があります。このうち「北口地区」と「南口東地区」では再開発がすでに具体化していますが、残る「南口西地区」についても、2023年3月に葛飾区が都市計画原案の概要を公表し、施設計画案が明らかになりました。 「南口西地区」では、地上34階・地下1階・高さ約125メートル、延べ床面積約9万1700平方メートルの再開発ビルが建設される予定。住宅(約700戸)が主体となり、食品スーパーや事務所なども入る想定です。2023年7月頃の都市計画決定を目指していくといいます。 興味深いのは、地区整備の方針として「商店街空間」や「横丁的空間」も創出するとしている点です。居酒屋が多く集まり、「千円でべろべろに酔える」いわゆる「せんべろの街」として知られる立石の再開発をめぐっては、路地空間が失われることに懸念の声もあがっていましたが、再開発事業にも「横丁」の再現が盛り込まれた形です。
区役所も入る「立石駅北口地区」は2024年6月着工予定
先行する「立石駅北口地区」では、西側に住宅(710戸)や店舗で構成する高さ約125メートルの再開発ビル、東側に新区役所などが入る高さ約75メートルの再開発ビルが建設されます。今後は2023年9月から解体工事に着手し、2024年6月から建築工事に入り、2028年10月に工事を完了するスケジュールを想定しています。「立石駅南口東地区」では、住宅(約450戸)や店舗などで構成する高さ約125メートルの再開発ビルの整備が計画されています。 京成立石駅周辺の3地区で再開発が完了すると、高さ100メートルを超えるタワーマンションが3本立ち並ぶことになります。駅の高架化とあわせて、下町の情緒が色濃かった駅周辺は様変わりすることになりそうです。