US-2飛行艇にも適用か? 英アエラリスと新明和 デジタル・エンジニアリングで協業へ

日英伊の次期戦闘機開発にも反映されるのでしょうか?

新明和の航空機事業に波及する提携

 イギリス企業アエラリス(Aeralis)は2023年3月15日、US-2救難飛行艇などを製造する日本の新明和工業と提携すると発表しました。 両社は、航空機の設計や製造に関する分野で、デジタル・エンジニアリング・プロセスを実装するにあたり、最適な方法を確立すべく協力していくとのこと。作業は今月(2023年3月)から始まる予定で、US-2に代表される新明和の航空機およびエアロシステム事業に対してデジタル・エンジニアリングがどのように効果を発揮できるか確立するとしています。

 アエラリスは現在、2025年初頭の初飛行を目標に、「モジュラーエアクラフト」と呼ばれる、次世代試作機の開発を進めているベンチャー企業です。「モジュラーエアクラフト」は、これまでの航空機とは異なり、用途に応じて最適化されたパーツを付け替えることで、様々な任務に使用できるというコンセプトのもと開発されている軍用機です。 こうすることで、要求される飛行性能や運用方法、教育・訓練体系に応じてコックピットやエンジンを載せ替えることが可能で、コア(中核)となる部分のみ共通化していればエンジンを単発(1基)にすることも、双発(2基)を選ぶことも、どちらも可能だといいます。 すでに同社は、イギリス空軍において戦闘機の新技術開発などを担当している「ラピッド・カバレッジ・オフィス」(RCO)と長期にわたる研究開発契約を結んでいるのに加え、仏タレスや英アトキンス、独シーメンスといった大企業ともコラボレーション契約を締結、エンジンメーカーのロールス・ロイスとも搭載エンジンに関する覚書をやり取りしています。 加えて、カタールの政府系ファンド、バルザンホールディングスとも投資契約を結んでいるほか、2022年12月にはイギリス国防省と「モジュラーエアクラフト」に関して900万ポンドの契約を結んでおり、今回の新明和との提携はこれに続くものとアエラリスでは位置づけています。

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