横浜の「テーマパーク計画」検討加速へ 「上瀬谷地区」新鉄道計画のゆくえは?

横浜市の「旧上瀬谷通信施設」に「テーマパーク」を誘致する計画が本格化しています。今後、この地域はどのように変化していくのでしょうか?また、アクセス鉄道の検討はどこまで進んだのでしょうか?

横浜市の「テーマパーク」事業者説明会には12社が参加

 横浜市が推進している「旧上瀬谷通信施設」へのテーマパーク誘致に向けた動きが加速しそうです。同エリアには、新たな鉄道の整備構想もありますが、検討はどの程度まで進んだのでしょうか。

 旧上瀬谷通信施設は、2015年6月に米国から日本へ返還された約242ヘクタールの広大な米軍施設です。横浜市はこれまで、将来の土地利用について、地権者と意見交換を行いながら検討を行ってきました。地区内には「農業振興地区」「観光・賑わい地区」「物流地区」「公園・防災地区」が配置される計画です。そのち、約70ヘクタールの「観光・賑わい地区」については、国内外から人を呼び込める「テーマパークを核とした複合的な集客施設」とする土地利用が想定されています。  2023年2月24日、市は「観光・賑わい地区」の事業者の公募を開始。3月3日には事業者向け説明会も開催されています。横浜市都市整備局によると、説明会には12社が参加したとのこと。テーマパークの整備に多くの企業が関心をもっているようです。今後は、市が応募企業から提案書を受け付け、2023年9月頃に事業者を決定し、2030年代前半の施設開業を目指す方針です。  会場周辺地域は鉄道路線も駅も近接していない、いわゆる「鉄道空白地帯」となっています。2022年6月に策定された「2027年国際園芸博覧会マスタープラン」によると、会場へのアクセス輸送としてはシャトルバスの運行が想定されています。バスが接続する鉄道駅は4つで、相鉄本線の瀬谷駅と三ツ境駅、JR横浜線の十日市場駅、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅となっています。 

検討が継続されている新鉄道の整備

 なおかつては、アクセス輸送として新交通システムが検討されていました。新たな鉄道路線の整備の方針である2016年の「都市交通審議会答申」第198号にもリストアップされ、瀬谷駅付近と上瀬谷地区の約2・6キロを結ぶ路線として、事業着手の前段階である環境アセスメントの手続きも行われていました。しかしその計画は、横浜市臨海部で新交通システム「金沢シーサイドライン」を運営する「横浜シーサイドライン」が参画に難色を示したため、いったん白紙となっています。 ただ、新鉄道の整備に向けた検討は現在も続いています。市は2022年12月、「旧上瀬谷通信施設周辺における新たな交通の事業スキーム検討業務」の委託企業を選定。この業務では、「新たな交通の設計・建設から維持管理、運営までの最適な事業スキームの選定にむけて、関係者へのヒアリングや事業スキームの概略検討を行う」としています。 また、市の2023年度予算案には、同地区の「新たな交通の導入検討」費用として8000万円を計上。引き続き検討が進められる予定です。  3月18日には、いよいよ相鉄・東急直通線が開通し、大激変を迎える相鉄線沿線。近い将来、テーマパークへのアクセス輸送も担うことになりそうです。

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