踏切ないのになぜカンカン… 地下鉄トンネルや高架駅でも“あえて使ってます”

大阪の地下鉄では、踏切がないはずなのに、トンネル内でカンカンという音だけ聴こえることがあります。関東では、地上・高架区間に関わらず、駅で踏切の音が聴こえてくる路線も。不思議な踏切の音にはもちろんワケがあります。

大阪じゃ鉄板の謎?「トンネル内で踏切の音」

 大阪メトロの地下鉄では、トンネル内で「カンカンカン…」と踏切の音が聴こえることがあります。近くに踏切は存在しないはずなのに――インターネット上でも、不思議に思う人が多いようです。

 大阪メトロをよく利用する人にとってこれは、ある意味、鉄板ネタのひとつかもしれません。大阪メトロが公式YouTubeチャンネルで、その理由を明かしています。 この音は、線路の点検などを行う作業員に、電車の接近を知らせる警告音です。営業中にトンネル内の点検作業を行う際、急カーブの先では電車のヘッドライトが作業員まで届かず、接近に気づくのが遅れる危険があることから、音で知らせているのです。 大阪メトロによると、この警報機は50年以上前から導入されており、他でもない「踏切の音」を採用したのは、「電車が来るイメージがすぐに浮かびやすい」ためだといいます。 実は、この踏切の音を旅客向けに導入している会社もあります。

高架駅でも聴こえてくる踏切の音

 その例が西武鉄道です。同社の駅では、「まもなく、1番線に……」といった列車の接近放送とともに、踏切の音も聴こえてきます。さらに、線路の脇では黄色い回転灯が点灯します。 西武線では、これらセットで「列車進入警報装置」として導入されているのです。このため、前後に踏切のない高架駅でも、カンカンという音が聞こえます。

 この音は乗車中も聴こえることがあります。地上駅の前後に踏切がある場合、列車が駅手前の踏切を通過し、カンカンの音が遠くなっていったあと、ホームに差し掛かり、再び音がやや大きく聴こえるケースも。西武鉄道によると、列車進入警報装置の踏切音は、実際の踏切と同じ音源を使用しているのだそう。上のケースで最初に聴こえるのは本当の踏切音、後に聴こえるのは列車進入警報装置の警告音、というわけです。 近年は、列車の接近放送と別に、接近メロディーを採用する鉄道も増えていますが、西武鉄道は「警報音として多くの人がわかりやすい踏切の警報音を使用しています」ということです。

【動画】大阪の地下鉄「トンネルで鳴る踏切音」の謎

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