【グリーン埋葬】アクアメーションやキノコ葬とはどんな埋葬?

日本では火葬が主な葬法だが、火葬による二酸化炭素の排出量は年間数百万トンにも及ぶと言われている。地球温暖化の進行が深刻化している今日、「グリーン・ベリアル・ムーヴメント」(グリーン埋葬運動)という言葉も生まれ、二酸化炭素の排出を抑えるグリーン埋葬が特に海外で注目を集めている。

■遺体を溶かす埋葬法「アクアメーション」

アクアメーションでは、まず加圧容器に故人の遺体と水、水酸化カリウムの混合液を入れ、約90~150℃に加熱する。数時間程度で有機物は穏やかに分解され、骨以外の有機物はすべて液化される。遺体を液状に溶かすアクアメーションは、火葬とかかる時間は同じだが、二酸化炭素の排出量は約10分の1に抑えられると言われている。また、火葬と比べて安価で済むことから、海外では埋葬における経済的課題の解決策のひとつになっている。

■有害物質を出さずに土に還る「キノコ葬」

キノコ葬は、100パーセント土に還る素材で作られたスーツを遺体に着せて土葬する埋葬方法である。キノコの胞子を植えつけた糸で作ったスーツを遺体に着せて土葬すると、遺体を餌としてキノコが発芽し、成長する。キノコが人体に含まれる環境有害物質を吸収・分解除去するため、毒素が土に流れ出るのを最小限に抑えることができる。

しかし、アクアメーションやキノコ葬といった埋葬方法は世界的にも一部の地域でしか正式に認められておらず、また、日本では遺体を溶かしたりキノコの餌にしたりする葬法に、心理的抵抗を持つ人も少なくないだろう。

■日本でもできるグリーンな取り組み

日本でも二酸化炭素の排出量を削減する取り組みが始まっている。火葬に使用される一般的な棺は木製なので、燃やす際に大量の二酸化炭素が発生する。しかし、木製の棺の代わりに強化段ボールを使用した紙製の棺を使うことで、燃焼時の有害ガスは3分の1以下になるとも言われており、排出される二酸化炭素を大幅に減らすことができる。他にも、遺体保全に使用するドライアイスを再利用可能な保冷材に替えたり、霊柩車としてハイブリッド車を使用したりすることで、二酸化炭素の排出量を減らすことができる。

環境保全活動を大切にしている方や、自身の葬儀の際に排出される二酸化炭素が環境破壊に繋がることを残念に感じる方は、これらの取り組みを検討されてみてはいかがだろうか。
葬儀という自身の想いを発信できる最後の場で、環境保全活動への想いを参列者に伝える機会になるかもしれない。

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