【ベレン時事】ブラジルで開催中の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は21日、予定された会期の最終日を迎えた。議長は同日、脱化石燃料に関する記述を削除した成果文書の修正案を提示した。しかし、複数の国が反発しており、途上国への資金支援を巡っても各国間の意見集約は進んでいない。会期の延長が避けられない状況だ。
修正案提示は当初予定していた19日から大幅に遅れ、20日は会場内で発生した火災の影響で交渉が中断。残された時間が限られる中、各国がどこまで歩み寄れるかが焦点だ。
18日に提示された成果文書の議長草案では、産業革命前と比べた世界の平均気温の上昇を1.5度に抑える目標達成に向け、「化石燃料からの脱却」を明記する選択肢が盛り込まれた。議長国ブラジルはさらに踏み込んだ工程表策定を模索していたが、産油国などは反対し、交渉は難航。修正案からは化石燃料についての文言が全て削除された。
〔写真説明〕記者会見する国連のグテレス事務総長=20日、ブラジル・ベレン(AFP時事)

