農林水産省は18日、2025年産米の10月の相対取引価格(全銘柄平均、玄米60キロ当たり)が、前年同月から56%上昇し、3万7058円だったと発表した。過去最高だった前月に対しても、163円上回り、月別価格として比較可能な06年以降で最高値を更新した。
25年産米は、農協(JA)が集荷時に生産者に前払いする概算金を、前年比3~7割程度高く設定していることなどから、取引価格が高止まり傾向にある。相対取引価格は、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷業者と卸売業者の間で取引される価格。
一方、10月の相対取引数量は、直近5年で最も多い33.7万トンと、前年同月比で23%の増加となった。新米に対する消費者の旺盛な需要を反映し、卸売業者からの引き合いが強かったもようだ。
業者間の取引価格の高騰は、スーパーなど小売店での販売価格にも影響している。全国のスーパー約1000店舗で11月3日からの1週間で販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は、4316円と最高値を更新した。
〔写真説明〕コメの等級検査=10月23日、栃木県大田原市のJAなすの米麦サテライト施設

