中国、G20で首相と会談せず=習政権、首相発言で強硬姿勢誇示―日本大使館、邦人に「安全確保を」

 【北京時事】中国外務省の毛寧報道局長は17日の記者会見で、南アフリカのヨハネスブルクで22、23両日に開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、李強首相と高市早苗首相の会談は設定されていないと明らかにした。台湾有事に関する高市氏の国会答弁への報復とみられる。ハイレベルでの対話に応じない強硬姿勢を示した形で、日中間の緊張は高まっている。
 中国政府が、国際会議での首脳の個別会談について事前に明言するのは異例。会見で毛氏は、改めて発言を非難し、高市氏に撤回を求めた。
 一方、外務省の金井正彰アジア大洋州局長は17日に中国・北京を訪問。18日に中国外務省の劉勁松アジア局長と会談する方向で調整している。答弁は従来の日本政府の立場を変えるものではないと説明し、理解を求める見通しだ。
 台湾問題を「核心的利益の中の核心」と位置付ける習近平政権は、台湾有事が「存立危機事態」に該当し得るという高市氏の答弁に強く反発。13日には中国外務省の孫衛東次官が金杉憲治駐中国大使を呼んで抗議していた。
 中国側は、高市氏が発言を撤回しない場合、「一切の責任は日本側が負わなければならない」と表明。国民に日本への渡航自粛を呼び掛けたほか、留学計画も慎重に判断するよう注意喚起した。金井氏は重層的な交流の重要性を強調し、呼び掛けの撤回を促す見込みだ。
 こうした中、在中国日本大使館は17日、中国国内での情勢を踏まえ、外出の際には不審者や周囲の状況に注意し、安全確保に努めるよう在留邦人に呼び掛けた。 
〔写真説明〕高市早苗首相(右)と中国の習近平国家主席(AFP時事)
〔写真説明〕17日、中国・北京の空港に到着した外務省の金井正彰アジア大洋州局長

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