高市首相、安保・サイバーで協力強化=日ASEAN首脳会議

 【クアラルンプール時事】高市早苗首相は26日、マレーシアの首都クアラルンプールで日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席した。首相は東・南シナ海で威圧的行動を強める中国を念頭に、法の支配に基づく国際秩序の重要性を強調。各国に対し、安全保障やサイバーセキュリティー、人工知能(AI)といった分野での協力強化を約束した。
 安倍晋三元首相が「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を提唱してから来年で10年を迎える。同構想を外交の柱と位置付ける首相は、インド洋と太平洋の連結点にあるASEAN諸国との一層の関係強化を主張。防衛装備品などを同志国に提供する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を拡充するとした上で、「海洋安保に加え、災害対処等の協力も推進する」と述べた。
 また、サイバーや脱炭素化など、国境を越えた課題を含む幅広い分野での連携深化も確認。AIや量子、半導体といった最先端分野での共同研究の拡大を訴え、人材育成などに取り組む「AI共創イニシアチブ」の立ち上げも提案した。
 同会議は締めくくりに、FOIPの促進を盛り込んだ首脳共同声明を採択した。
 首相はクアラルンプール日本人墓地とマレーシアの国家記念碑を訪れ献花。脱炭素化に向けた連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」首脳会議で、昨年合意した行動計画の進展を確認し、共同声明を発出した。
 首相は一連の日程を終えた後、記者団に「FOIPの要であり、世界の成長センターでもあるASEAN諸国との連携強化を確認できた。非常に有意義だった」と強調した。 
〔写真説明〕日ASEAN首脳会議で写真撮影に応じる高市早苗首相(中央)ら=26日、クアラルンプール(EPA時事)
〔写真説明〕日ASEAN首脳会議で発言する高市早苗首相=26日、クアラルンプール(AFP時事)
〔写真説明〕東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の会場を歩く高市早苗首相=26日、マレーシア・クアラルンプール(ロイター時事)

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