ガザ和平巡りイスラエル首相と会談=再建へ「困難な課題」―米副大統領

 【カイロ時事】バンス米副大統領は22日、エルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。イスラエルとイスラム組織ハマスのパレスチナ自治区ガザでの停戦継続や、米国が示した和平案の「第2段階」への移行などを巡り協議したとみられる。
 バンス氏は会談に先立ち、記者団を前にガザ再建に向けて「非常に困難な課題が待ち受けている」と指摘。和平案第2段階に含まれるハマスの武装解除など「多くの作業が求められている」と強調した。一方、ネタニヤフ氏は「イスラエルの安全保障について、われわれは必要なことを行う」と訴え、ハマスの対応によっては、今後もガザでの軍事作戦を辞さないことを示唆した。
 和平案「第1段階」はイスラエルとハマスの合意により10日に発効し、停戦が始まった。しかし、イスラエルは19日、ハマス側の合意違反を主張してガザを空爆。停戦崩壊の懸念が高まる中、米国はバンス氏らをイスラエルに派遣した。21日に記者会見したバンス氏は、停戦の状況について「予想以上に順調だ」と述べ、あえて楽観的な見方を示すことで双方にくぎを刺した。
 バンス氏はまた、ハマスが拉致した人質の遺体に関し、がれきの下からの収容や所在特定が難しい状況にあると説明。イスラエルがハマスによる遺体返還の遅延を「合意違反」と見なす中、引き渡しは「一夜にして成らない」とハマス側に一定の理解を示した。
 その上で「ハマスは武装解除しなければならない。受け入れなければ非常に悪いことが起きる」と改めて警告した。武装解除を巡る協議は「多少時間がかかる」と述べ、難航は避けられないという認識を表明した。 
〔写真説明〕22日、パレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市で、破壊された建物のがれきの中を歩く子供(AFP時事)

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