
【カイロ、ワシントン時事】トランプ米大統領が提示したパレスチナ自治区ガザの和平計画に関し、AFP通信などは3日、イスラム組織ハマスが交渉仲介国に対し、検討になお時間を要するとの立場を伝えたと報じた。イスラエルのネタニヤフ首相の支持を取り付けたトランプ氏は同日、ハマスに米東部時間5日午後6時(日本時間6日午前7時)までの回答を要求。ハマス側は難しい対応を迫られている。
和平計画には、事実上の全面的な武装解除など、パレスチナ社会で対イスラエル闘争の担い手として求心力を保ってきたハマスにとって決定的な打撃となる内容が含まれている。ただ、拒否すればイスラエルに軍事作戦継続の根拠を与えることになりかねず、ハマス幹部はAFPに「協議を続けている」と述べた。
ハマスの方針を巡っては、さまざまな観測が伝えられており、組織内部で意見が割れているもようだ。英BBC放送は、ハマスのガザ軍事部門指導者が計画に同意しないことを示唆したと報じた。この指導者は、計画は同意の有無にかかわらずハマスを壊滅させることを目的に作られたと批判し、戦闘継続を訴えたという。
一方、別の報道では、ハマス関係者が「(計画を)完全に拒否するのではなく、部分的に同意し、人質の引き渡しやイスラエル軍の撤退などについて修正を求める」との見解を示したと伝えられている。
〔写真説明〕2日、イスラエルによる空爆を受けて煙が立ち上るパレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市(EPA時事)