
【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は9月30日、米政府が提示したパレスチナ自治区ガザでの戦闘終結と戦後統治に関する和平計画に関し、現在もイスラム組織ハマスに対する掃討作戦を続けるイスラエル軍は「ガザの大部分にとどまる」と主張し、和平の動きに逆らうかのような強硬姿勢を示した。通信アプリ「テレグラム」に動画を投稿した。
ネタニヤフ氏は29日、ワシントンでトランプ米大統領と会談。その後の記者会見で、和平計画への支持を表明した。計画ではイスラエル軍が段階的に完全撤収することが規定されているが、具体的な撤退範囲やスケジュールは明示されていない。ハマスはこれまでの停戦交渉で、部隊の完全撤退を要求してきた。
米CBSニュースは情報筋の話として、ハマスが計画を受け入れる方向に傾いていると伝えている。ただ、部隊は残ると訴えるネタニヤフ氏の発言で、ハマスが態度を硬化させる恐れもある。
〔写真説明〕パレスチナ自治区ガザを走行するイスラエル軍戦車=9月28日(ロイター時事)