連立拡大スピード感で温度差=給付付き控除、3人検討―自民総裁選に向けテレビ討論

 自民党総裁選の候補者5人は28日、NHKなどの番組に出演し、少数与党の安定化策などについて討論した。5人は新総裁に就任すれば公明党との連立政権の枠組み拡大を探る方針をそろって示したが、連立協議のスピード感などを巡り温度差が見られた。3人は立憲民主党が掲げる「給付付き税額控除」導入を検討する姿勢を示した。
 10月4日の総裁選投開票後、同月中にも臨時国会が召集され、首相指名選挙が行われる見通し。高市早苗前経済安全保障担当相(64)は「できれば(野党と)連立政権をつくりたい」とした上で、「(目標は)首相指名まで。最初の組閣から(閣内に)加わってもらう」と語った。
 茂木敏充前幹事長(69)は首相指名選挙までの連立拡大を排除しない姿勢を示しつつ、「2025年度補正予算案を組むタイミングが次(のチャンス)。最低でも(来年1月に)通常国会が始まるまでに進めたい」と語った。
 林芳正官房長官(64)は「すぐに(野党に)党首会談をお願いしたい」と表明。「望ましいのは首相指名まで(の連立拡大)だが、できなかったら年内ずっと(協議を)続ける」と述べた。
 小泉進次郎農林水産相(44)は、政権安定の方策として「連立が一番だ」とする一方、「(野党と)しっかり協議し、信頼関係を構築した先に出てくるのが連立だ」と強調。「最後はトップ同士の判断も極めて重要な局面だ」と話した。
 これに対し、小林鷹之元経済安保相(50)は「連立を目指すが、連立ありきではない」と指摘。憲法、安全保障、原子力政策に加え、自助・自立の理念を挙げ、「考え方をある程度共有できる政党でないと連立に至るのは難しい」と語った。
 自民、公明、立民の3党は19日の党首会談で、給付付き税額控除の制度設計に向けて協議を進めることで合意している。小泉、小林両氏はこの協議を「引き継ぐ」と言明。高市氏は「いい制度だ」と前向きに取り組む考えを示した。
 政府・与党が開始時期決定を先送りしている防衛力強化のための所得税増税について、高市、小林、茂木各氏は不要との認識を示した。高市氏は日米関税交渉で合意した5500億ドル(約80兆円)の対米投融資について「不平等なものが出てきた場合は再交渉の可能性もある」と言及。小泉氏はトランプ米大統領が10月下旬にも来日した場合の対応について「トランプ氏は(北朝鮮による)拉致問題に最も思いを持って取り組んだ方。引き続き協力を要請したい」と語った。 
〔写真説明〕自民党総裁選立候補届け出順に(写真左から)小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農林水産相

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