
【ロンドン時事】英国を国賓訪問中のトランプ米大統領は18日、スターマー首相と南部バッキンガムシャー州の首相別邸で会談し、パレスチナ問題やウクライナ情勢などを巡り協議した。トランプ氏は共同記者会見で、英国のパレスチナ国家承認に反対する考えを示した。また、ウクライナ停戦協議の停滞について、ロシアのプーチン大統領が「期待を裏切った」と語った。
英国はパレスチナ自治区ガザでの人道危機を深刻化させたイスラエルへの対応の一環として、パレスチナを国家承認する方針。親イスラエルのトランプ氏との溝を埋めるのは容易でない。
ただ、両首脳はパレスチナ以外の分野では協調をアピールした。スターマー氏は会見で「われわれは防衛やテクノロジー(分野での協力)、そして平和の追求(という目標)で団結している」と強固な関係をアピール。「新たな防衛技術」の開発に共同で取り組んでいると明らかにした。またウクライナに関し「殺害をやめさせる」ため、プーチン政権への圧力を強化すると表明した。
トランプ氏は国賓招待への謝意を改めて表明した上で、米英は「常に友人であり続ける」と強調。
両首脳は会見に先立ち、企業幹部らを交えたビジネス会合に参加。スターマー氏は記者団を前に、米国との間で2500億ポンド(約50兆円)を相互に投資するパッケージで合意したと発表。さらに、人工知能(AI)など最先端技術での連携強化を図るテクノロジー関連の協定も締結したと明らかにした。
〔写真説明〕18日、英南部バッキンガムシャー州の首相別邸で会談に臨むトランプ米大統領(左)とスターマー英首相(AFP時事)