新首相にルコルニュ氏=安定内閣の樹立は不透明―仏

 【パリ時事】フランスのマクロン大統領は9日、少数与党のバイル内閣が下院の不信任で同日に総辞職したことを受け、自らの中道政党「再生」所属で側近のセバスチャン・ルコルニュ国防相(39)を新首相に任命した。2026年予算を成立させるため、野党と協議の上で組閣するよう指示したが、安定内閣を樹立できるかは不透明だ。
 下院は8日、バイル内閣が26年予算編成方針で提示した440億ユーロ(約7兆6000億円)規模の財政健全化策を否決。ただ、欧州連合(EU)基準を大幅に超過した財政赤字の削減は依然急務で、ルコルニュ氏の対応が注目される。
 金融市場では仏政治の混迷に懸念がくすぶる。12日には格付け大手が同国の信用格付けを発表する予定。マクロン氏は動揺が広がらないよう、バイル内閣の総辞職からわずか5時間で新首相の任命を発表した。
 ルコルニュ氏は10日、就任後初の演説で「(現在の政治状況を)永遠に続けることはできない。真剣に野党と協力する」とアピールした。
 昨夏の総選挙以来、下院では中道与党、野党の左派、極右の主要3陣営が対立。バルニエ前内閣は2カ月半、バイル内閣は8カ月半で不信任となり、短命に終わった。ルコルニュ氏はマクロン政権の7人目の首相だ。 
〔写真説明〕10日、パリで演説に臨むフランスのルコルニュ新首相(AFP時事)

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)