悠仁さま、若々しく成年の誓い=「掛緒」切る音、静寂の中響く

 成年の冠のひも「掛緒(かけお)」を切る音が、静寂に包まれた皇居・宮殿に響き渡った。秋篠宮家の長男悠仁さまが19歳の誕生日の6日に臨まれた成年式。古式ゆかしい装束姿の悠仁さまは、しっかりと前を見据え、若々しくはっきりとした口調で「成年皇族としての自覚を持ち、務めを果たしてまいりたい」と誓いを述べた。
 秋篠宮邸(東京都港区)で行われた「冠を賜うの儀」にはモーニング姿で臨み、午前8時45分ごろ、天皇陛下の使者から成年の冠が入ったきりの箱を受け取った。玄関で秋篠宮ご夫妻と姉の佳子さまが見送り、言葉を交わして親王旗を立てた車に乗り込み、車内から手を振って皇居へ向かった。
 中心儀式「加冠の儀」は午前10時ごろから宮殿「春秋の間」で行われ、側近トップの吉田尚正・皇嗣職大夫の先導で、悠仁さまは未成年の装束「闕腋袍(けってきのほう)」に身を包み、秋篠宮さまが40年前の成年式で使った「空頂黒※(※巾ヘンに責)(くうちょうこくさく)」を頭に着けて姿を見せた。浅黄色の装束は肩から裾までの長さが約6メートルあり、小山永樹・皇嗣職宮務官長が裾を持った。
 天皇、皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻らが見守る中、加冠役の坂根工博・侍従次長が空頂黒※を外し、燕尾纓(えんびのえい)の付いた成年の冠をかぶせ、前皇嗣職大夫の加地隆治・宮内庁御用掛が冠を固定する掛緒を和ばさみで切った。「パチン、パチン」という音が響き、式はハイライトを迎えた。
 悠仁さまは成年の装束「縫腋袍(ほうえきのほう)」に着替え、秋篠宮さまの成年式でも使われた2頭引きの「儀装馬車4号」に乗り込み、宮殿を出発。宮内庁職員らが拍手で送り出す中、宮中三殿までの約1.2キロの道のりをゆっくりと進んだ。
 成年皇族として初めて宮中三殿の殿上に上がった悠仁さまは午前11時半ごろ、手に笏を持ち、回廊を緊張した面持ちで歩き、座って深々と一礼して賢所内へ。成年を迎えて天皇陛下から冠を受け取り、加冠の儀を行った旨の告文(つげぶみ)を読み、皇霊殿、神殿も参拝した。
 午後には宮殿「松の間」で「朝見の儀」が行われ、えんび服姿の悠仁さまは、両陛下にそれぞれあいさつ。天皇陛下は「皇族としての務めを立派に果たされるよう願っております」と励まし、皇后さまも「どうぞお元気にさまざまな経験を積まれますようお祈りしております」と述べた。
 両陛下と悠仁さまは、黒豆や日本酒などを煮詰めた「九年酒」が入った杯を交わし、箸を立てる所作も行い、成年を祝った。 
〔写真説明〕「加冠の儀」に臨まれる秋篠宮家の長男悠仁さま=6日午前、皇居・宮殿「春秋の間」(代表撮影)
〔写真説明〕「加冠の儀」に臨まれる秋篠宮家の長男悠仁さま=6日午前、皇居・宮殿「春秋の間」(代表撮影)
〔写真説明〕天皇陛下の使者から成年の冠を受け取られる秋篠宮家の長男悠仁さま=6日午前、東京都港区の秋篠宮邸(宮内庁提供)
〔写真説明〕秋篠宮ご夫妻と佳子さまに見送られ、皇居に向けて出発される悠仁さま=6日午前、東京都港区(代表撮影)
〔写真説明〕「加冠の儀」を終え、儀装馬車で宮中三殿に向かわれる秋篠宮家の長男悠仁さま=6日午前、皇居・宮殿東庭
〔写真説明〕「朝見の儀」で天皇、皇后両陛下にあいさつされる秋篠宮家の長男悠仁さま=6日午後、皇居・宮殿「松の間」(代表撮影)

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