米関税対策で企業支援=来年度税制改正要望

 2026年度税制改正に向けた各府省庁の要望が29日、出そろった。トランプ米政権の高関税政策の影響を受ける企業に対する支援策のほか、国内の設備投資や研究開発を促進するための優遇措置が目立つ。
 自民、公明両党の税制調査会は要望を審議し、年末に税制改正大綱をまとめる。ただ、衆参両院で少数与党となったため、法律として成立させるには、大規模な減税を訴える野党との調整が必要になる。
 経済産業省は国内企業の設備投資促進税制の創設を要望。5年間の時限措置として、投資額の一定割合を法人税額から差し引く税額控除の拡充や、設備投資の減価償却費を一括計上できるようにすることを目指す。国際競争力強化のため、研究開発に取り組む企業の法人税負担を軽減する「研究開発税制」では、時限措置の適用期限延長なども求めた。
 車体課税を巡っては、購入時に掛かる環境性能割の廃止を盛り込んだ。米関税政策の影響を強く受ける自動車業界の下支えを図る。
 金融庁とこども家庭庁は共同で、少額投資非課税制度(NISA)の「つみたて投資枠」を18歳未満も利用できるようにすることを要望。内閣官房などは気象災害や大地震に備えたインフラ整備について、税制上の財源確保策の検討開始を求めた。内閣府の要望には拠点を地方に移す企業への税制優遇を2年延長するなど、石破政権が看板政策に掲げる地方創生推進に関するものが並んだ。 
〔写真説明〕日米関税合意に関する石破茂首相(左端)と自動車業界の意見交換会=7月31日、東京都港区

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