
<スタンダード・ポートランドクラシック 最終日◇17日◇コロンビア・エッジウォーターCC(オレゴン州)◇6497ヤード・パー72>
岩井千怜は、姉・明愛の勝利のガッツポーズを見届けると、バンザイ。すぐさまシャンパンを持った手を挙げながらグリーンへ駆け寄り、祝福のシャワーを浴びせた。少し感慨に浸る姉の横でピョンピョンと飛び跳ね、よろこびを体全体で表現。米女子ツアー史上初めて、双子そろって優勝者にその名を刻んだ。
「うれしかったですね。いや~、うれしかった。本当によかったです」と話す千怜は、心底うれしそう。ただ、「勝って欲しいというより、勝つのは分かっていた。頑張っているのも見てきたので、“やってくれたな”という感じ。よかった、ホッとしています」と話す時は、しみじみとした様子だ。
日本ツアーの時と同じで、米国でも先に優勝したのは妹だった。5月にメキシコで行われた「リビエラマヤオープン」を制した千怜は、双子Vが米ツアー初という事実を聞いてビックリ。「そうなんですか? ここでは終わらないので、もっと、もっと上を目指して、ふたりで頑張っていこうという思いです」と、これからも変わらず切磋琢磨を続けていくことを誓った。
この日は、イーグル2つを記録するなど千怜自身も「64」をマークしトータル19アンダーの3位タイで大会を終えた。一時は首位・明愛、2位・千怜という時間もあり、姉妹で優勝を争ったことになる。そして、これこそが岩井姉妹の強さの秘密だと考えている。
「お互いが上位にいったら『負けてられない』という気持ちになるし、どっちかが勝ったりするとうれしいけど、悔しい思いもある。刺激し合っているところが一番いいのかなと思いますね」(千怜)
姉も「すごくいい関係性。お互いを高めあえる存在。(千怜が先に)1勝して、正直、焦りもあって、早く優勝したいとも思った。追いついたのかは分からないけど、これからも一緒に勝ち続けたいですね」と、優勝直後に想いを明かしていた。
ただ、きょうばかりは千怜も“100%”祝福モードだという。「うれしいですね。なんでか分からないですけど、うれしいです」。ライバルでもあり仲間。その関係性が、これからも2人を強くしていく。