
日本代表は15日、東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会・第3節で韓国代表を1-0を撃破。史上初となるE-1選手権の連覇と、3戦全勝での“完全優勝”をやってのけた。試合後、報道陣の取材に応じたDF古賀太陽(柏レイソル)は、韓国代表戦で感じた課題と、最終ラインの選手としての意識に触れた上で、「プロになってから、トロフィーを掲げるのは初めて。3試合とはいえ、チャンピオンになれたことはすごく嬉しく思います」と率直な心境も明かした。
7日に行われた初陣のホンコン・チャイナ代表戦にフル出場しており、続く12日の中国代表戦は“完全休養”した古賀にとっては、韓国代表とのゲームはおよそ1週間の間隔を空けて迎える今大会の2戦目。日本代表は前半の早い時間帯にFWジャーメイン良(サンフレッチェ広島)のゴールで先手を取ったものの、時計の針が進むとともに韓国代表に押し込まれ、後半に至っては防戦一方の展開を強いられた。
「結果的にはできなかったですけど、マイボールにする時間を自分のところでどれだけ作れるかは意識していました」と話す古賀は、1点ビハインドとなった韓国代表が、よりギアと強度を上げて向かってくることは想定していたという。その中で、「自分がそこでリズムを作れたらとは思っていましたが、なかなか自分たちがボールを保持しながら攻める展開は作れなかった」と古賀。「内容面については悔しいですよね。納得いく内容ではなかったかなと思います」と正直な感覚を明かした。
韓国代表戦の日本代表は、これまでの2戦とは異なり、自分たちが保持する時間を作れなかっただけでなく、後半に入ると高い位置までボールを奪いにいけなくなっていった。それは、韓国代表が躊躇なく“飛ばす”ロングキックを有効活用していた背景もある。結果として、自陣に押し込まれ続ける状況が続いてしまったが、古賀も「そこは難しい展開にしてしまった要因」と悔しそうな表情を浮かべる。だが、最終ラインの選手として、韓国代表がロングボールを放り込んでくることは事前にイメージしており、だからこそ無失点で凌ぎ切れた部分もあるという。
「相手も前に背の高い選手がいて、僕らが前からプレッシャーをかけた時には、そこにボールを当ててくると予想ができる試合の入りでした。僕だけでなく、(荒木)隼人くんもドゥー(安藤智哉)も、まず競り勝つところは徹底できていたと思いますし、セカンドボールに対する意識も、みんな高く持ってやっていたとは思います。ロングボールで起点を作られて、失点する形を相手に作らせず、90分を終えたのは、まあ良かったのかなと思っています」
終盤にはDF植田直通(鹿島アントラーズ)が送り出され、スライドする形で左ウイングバック(WB)に入る場面もあった。「さすがに左WBに入るイメージはしていなかったです」と本音を漏らしたが、「チーム戦術というか、やり方の1つとして、瞬時に受け入れることはできました。最後、耐え抜く判断は間違ってなかったと思います」と頼もしく発言。結果として、古賀のスライドによって、サイドにも守備面で力強さが加わった日本代表は、韓国代表にゴールを割らせることなく、1-0で逃げ切りに成功。“日韓戦”を制して、2022年大会に続く、大会2連覇を成し遂げた。
古賀個人としては、2019年のE-1選手権で日本代表デビューを飾っていたものの、当時は東京オリンピック2020世代の選手を中心としたメンバー構成。わずか1試合しか出番がなかった。当時とは異なり、今回は柏でのパフォーマンスが認められる形で再びA代表食い込み、E-1選手権の舞台でも主力として優勝に大きく貢献。「僕自身、A代表もほぼほぼデビューのような形で、今回呼んでもらった」と自身の捉え方を明かすと、「2試合に出て、少しでも優勝に貢献できたなら嬉しいです」と喜んだ。
【動画】日本代表、歓喜の瞬間!