
連合が3日発表した2025年春闘の最終集計結果によると、基本給を底上げするベースアップ(ベア)に定期昇給を合わせた賃上げ率の加重平均は5.25%(月額1万6356円)だった。前年を0.15ポイント(同1075円)上回り、1991年の5.66%以来、34年ぶりの高水準となった。5%を超えたのは2年連続だ。
組合員300人未満の中小組合では、4.65%(月額1万2361円)と、前年比0.20ポイント増(同1003円)。大手に続き、雇用の7割を占める中小でも、製造業やサービス・ホテルなどを中心に賃上げの流れが広がった。
連合は賃上げの要求水準について、全体で「5%以上」、中小組合は「6%以上」とする方針を掲げていた。記者会見した仁平章総合政策推進局長は、中小の目標未達に関し「健闘したのは間違いない」とする一方、人件費などの価格転嫁が「まだ不十分」で「物価高による内需の低迷」も影響したと説明。トランプ米政権の関税政策は現時点では「大きな影響は確認できない」と述べた。
〔写真説明〕記者会見する連合の仁平章総合政策推進局長=3日午後、東京都千代田区
〔写真説明〕労使交渉の回答状況をボードに書き込む金属労協の職員=3月12日、東京都中央区