最期の過ごし方、5割が相談=コロナ禍のがん患者、医師に―遺族1万人調査・研究センター

 新型コロナウイルスが感染拡大した2021年にがんで亡くなった患者のうち、2人に1人が最期の療養場所について医師と話し合っていたとする推計を国立がん研究センターがまとめ、3日に公表した。「望んだ場所で過ごせた」と回答した割合も約6割に上り、いずれも17~18年の前回調査から増加していた。
 同センターは「コロナ禍の面会制限もあり、患者と医師の間で積極的な話し合いがなされたのではないか」と分析している。
 同センターは、21年にがんや心疾患などで死亡した患者の遺族約2万7000人に調査票を送り、約1万900人から有効回答を得た。患者の死亡年齢は平均87.5歳で、亡くなる直前1カ月間の療養生活の質などを尋ね、死因別に分析した。
 がんについては、患者と医師が最期の療養場所を話し合っていたと回答した割合は52.9%で、前回調査(35.7%)から増加。患者が「(最期の期間を)望んだ場所で過ごせた」としたのは60.2%(前回は47.9%)に上った。一方、「体の苦痛が少なく過ごせた」は前回から4ポイント減の37.3%にとどまった。
 病院や介護施設などに入院・入所していたが「面会制限があり、思うように面会できなかった」と答えた遺族はいずれの死因でも6~8割に上り、がんは65.7%だった。面会制限を避けるため、自宅療養を選択したがん患者の割合は11.4%で、心疾患(2.6%)などと比べ高かった。 

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