
【シリコンバレー、ワシントン時事】米国防総省は9日、カリフォルニア州ロサンゼルス(LA)で激化した不法移民取り締まり強化への抗議デモに対応するため、現役海兵隊員約700人を現地に派遣した。さらにその後、当局職員らが安全に職務を遂行できるよう州兵2000人を追加投入すると発表。急速に州行政への介入を強めている。
カリフォルニア州政府は9日、国防総省の発表に先立ち、トランプ大統領が7日に出した州兵約2000人を動員する初回の命令は違憲だとして提訴した。ニューサム知事(民主党)は州兵の追加派遣命令を受けてSNSに投稿し、第1陣2000人のうち配置済みの州兵は約300人にとどまっていると指摘。人員追加の必要性に疑問を呈した。
米メディアによると、同州に駐留する海兵隊が移動を始めた。ヘグセス国防長官は7日、初回の州兵動員命令が出された際、必要に応じ海兵隊を送る考えを示していた。
大統領が州知事の要請なく州兵を派遣したのは、公民権運動参加者の保護を理由とした1965年以来初めて。ニューサム氏は、LAのデモについては地元当局が収拾に当たっており、州兵投入は事態を悪化させると判断し、提訴に踏み切った。
〔写真説明〕9日、米カリフォルニア州ロサンゼルスで、不法移民取り締まり強化への抗議デモに参加する人々(AFP時事)