
第27回参院選は今夏、実施される。時事通信の調べによると、4月30日現在で315人(選挙区216人、比例代表99人)が立候補を準備。自民と公明の与党が非改選も含めて参院全体の過半数の125議席を確保できるかが焦点。勝敗のカギを握る32の「1人区」で、自民が擁立作業を終える一方、立憲民主党など野党の候補者調整は進んでいない。
参院選は今国会の会期延長がなければ、「7月3日公示―同20日投開票」の日程で行われる公算が大きい。
参院総定数は248で、3年ごとに半数の124議席が改選される。今回は東京選挙区で非改選の欠員1人を補充する補欠選挙も合わせて行われるため、125議席を争う見通し。
与党の非改選議席は自民62、公明13の計75。自公で50議席獲得すれば、参院全体の過半数に達する。
自民は選挙区47人、比例27人が出馬を予定。複数区の東京の2人目や大阪で候補者決定を急ぐ。公明も選挙区・比例各7人の公認候補を決め、改選14議席を死守する構え。
両党は選挙協力で合意している。自民は埼玉、神奈川、愛知、兵庫、福岡の五つの複数区で、公明は1人区を中心として原則推薦し合うことを確認している。
これに対し、立民は選挙区31人、比例10人が準備しており、主要野党の候補が立っていない石川や熊本でも候補者選定を進めたい考え。野党連携を主導し、「与党の改選過半数割れを目指す」との目標を掲げる。
ただ、立民は1人区のうち5選挙区で日本維新の会、国民民主と競合。内訳は「立維国」2、「立維」2、「立国」1となっており、「3党競合区」のほとんどに共産も擁立している。関西を中心に勢力を保持したい維新、立民を上回る支持率を背景に党勢拡大を期す国民民主の動向などもあり、野党共闘の展望は開けていない。
維新は選挙区10人、比例12人が立候補を予定。国民民主は選挙区18人、比例12人を決め、2022年の前回参院選の擁立数22人を既に上回った。共産も選挙区25人、比例5人を立てた。
れいわ新選組と社民党はそれぞれ7人、参政党は49人を擁立する見通し。日本保守党も3人を発表。昨年の東京都知事選で次点となった石丸伸二氏が立ち上げた地域政党「再生の道」も、東京1人を含む10人で国政選挙に初参戦する。
◇各党の立候補予想者数(30日現在)
【現有議席】 【立候補予想者】
改選 非改選 計 選挙区 比例 計
自民 52 62 114 47 27 74
立民 22 16 38 31 10 41
公明 14 13 27 7 8 15
維新 5 12 17 10 12 22
共産 7 4 11 25 5 30
国民 4 5 9 18 12 30
れいわ 2 3 5 5 2 7
社民 1 1 2 4 3 7
参政 0 1 1 44 5 49
保守 0 0 0 3 0 3
みんな 0 0 0 0 0 0
諸派 2 1 3 11 15 26
無所属 8 5 13 11 0 11
計 117 123 240 216 99 315
(注)欠員8。正副議長は出身政党に含めた。立候補予想者には態度未定の現職を含む。
〔写真説明〕国会議事堂=1月15日、東京都千代田区