自由貿易体制、堅持を=トランプ関税懸念、声明見送り―G20財務相会議が閉幕

 【ワシントン時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は24日、米ワシントンで2日間の日程を終え閉幕した。トランプ米政権が発動した高関税政策により世界経済の不確実性が高まる中、自由貿易体制を堅持する重要性を訴える声が相次いだ。2月に南アフリカ・ケープタウンで開かれた前回会合に続き、共同声明は出さなかった。
 2日目の討議では、国際金融などについて意見交換。ベセント米財務長官が国際通貨基金(IMF)に対し、金融安定という「中核的な責務」に集中するよう求める一方、加藤勝信財務相は「長期的かつ既存の制度にとらわれない視点で、IMFのあり方を議論すべきだ」と主張した。
 関税引き上げを巡っては、米国と中国が高関税をかけ合い、貿易戦争激化への懸念が強まっている。G20議長国、南アフリカのゴドングワーナ財務相は閉幕記者会見で、「保護主義の拒否や多国間貿易への関与といった全般的な原則は受け入れられた」と強調した。
 ただ、今回は共同声明に代わる「議長総括」の取りまとめも見送り、各国の意見の隔たりをうかがわせた。南ア準備銀行(中央銀行)のハニャホ総裁は同国で7月に予定する次回会議で「共同声明に向けて取り組む」と表明した。 
〔写真説明〕G20財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後、記者会見する南アフリカのゴドングワーナ財務相(左)と南ア準備銀行(中央銀行)のハニャホ総裁=24日、米ワシントン

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)