ロシア軍の“80年近く前”の複葉機を近代化へ「旧式すぎる機体」を使わざるを得ない理由とは

実はウクライナ生まれの超ロングセラー機。

実はウクライナで設計された農業機

 ロシアの国営メディアであるタス通信は2025年2月27日、An-2複葉機のエンジンが近代化されると報じました。

 An-2は、現在はウクライナにあるO・K・アントーノウの前身であるアントノフ設計局が1947年に開発した、レシプロ(ピストン)エンジンのプロペラ複葉機です。元々は農薬散布機として開発された農業機でした。しかし、12名の兵員を乗せた状態で、離陸距離が150m、着陸距離は170mと短く済むうえ、滑走路がない不整地でも離発着可能という点が評価され、輸送機のほか空挺部隊用、特殊作戦用の機体とし広く使用されています。

 同機は制式採用から80年近くが経ちますが、ロシアでは空挺部隊の機体を含めかなりの数が運用されており、ほかにも旧東側諸国を中心に数か国で運用されています。ロシア軍は当初、2023年頃から同機をUZGA製のLMS-901「バイカル」に置き換える予定でしたが、同機に設計上の問題があり、配備は大きく遅れると予想されています。

 そこで、An-2の速度をアップし、近代化するためにTVD-10ターボプロップエンジンを再び生産する計画が立ち上がりました。なおロシア軍は、同機をLMS-901の量産が軌道に乗ると見られる2030年まで運用する予定です。

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