「73」→「63」でV争い 永井花奈の華麗なる大変身

<伊藤園レディス 2日目◇11日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>

大会コースレコードタイの「63」をこの日は2人が記録した。単独首位に立った西郷真央、そしてもう一人が73位タイからスタートした永井花奈だ。初日の「73」から実に10ストロークも縮めてトータル8アンダーの8位タイに順位を上げてきた。一夜にして大変身したポイントはスイングのリズムにあるという。
コースレコードであることを知らずにプレーしていた永井だが、最終ホールは緊張していた。「63」で回れば、自己ベスト更新だったからだ。「8アンダーの『64』は何回もあるんです。ジュニアのころにも出したし、今年も1度ありました(『サントリーレディス』2日目)。7アンダーになって、次がパー5というあたりから狙えるんじゃないかと意識し始めました」。最終ホールの9番は1メートルを沈めてパーセーブ。大会記録更新があと一歩だったことを知らされても「私にとっては人生のレコードだからハッピーです」と満足気だった。

先週の「TOTOジャパンクラシック」は出場権がなく、クラブが鋭角に入り過ぎるという課題克服のため、練習に時間を費やした。スイングを修正できたつもりだったが、初日はあえなくオーバーパーのラウンド。「ずっと取り組んできたことでもあるんですけど、上手くいかなくて。このやり方は向いてなのかなと思いました。初日のラウンド中にリズムが早いなと感じていたので、もうスイングのことは考えずに、トップで止まるぐらいの気持ちでリズムやテンポをゆっくりにすることだけを考えました」。合わせて、普段のフェードではなく、ストレートの弾道をイメージしたことで、アイアンショットの切れを取り戻した。

優勝も狙える位置での最終日となるが、それ以上に意識しているのは最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の出場権だ。40人の出場枠に対し、永井は現在メルセデスランキング39位。より優先度の高い今季のツアー優勝者を考慮すると、ボーダーラインのわずかに下にいる。

「超ギリギリですよね。とにかく上がらなきゃダメなんですよ」。今季は開幕7試合で5度の予選落ちという苦しいスタートから、シード獲得、「日本女子オープン」出場など、ひとつずつ目標をクリアしてきた。最後にもうひとつ、最終戦出場というハードルを乗り越える。(文・田中宏治)

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