「アノエタで右サイドを駆け抜けた情熱は残り続けている」 ソシエダ復帰のオドリオソラの告白

 今夏の移籍市場でレアル・マドリードからレアル・ソシエダに加入したDFアルバロ・オドリオソラが、同クラブ入団会見に臨んだ。4日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 1995年12月14日生まれのオドリオソラは現在27歳。スビエタ育ち(レアル・ソシエダの練習場)の右サイドバックは2017年1月にトップチームデビューを果たすと、瞬く間に定位置を確保した。2018年に行われたロシアW杯に臨んだスペイン代表にも選出されるなど将来を嘱望されていたオドリオソラは、同年夏に移籍金3000万ユーロ(約47億円)でレアル・マドリードに加入。しかし“白い巨人”では満足のいく活躍ができず、バイエルンとフィオレンティーナへのレンタル移籍を挟み、在籍3年半で公式戦通算49試合出場にとどまっていた。

 まず、オドリオソラは「僕は少年として旅立ち、ひとりの男として戻ってきた。多くのことを学ばせてもらったレアル・マドリードでの経験は、素晴らしいものだった」と前置きしつつ、「僕自身も典型的なひとりだけど、ギプスコアの人間はみんな勤勉。幸運にも、プロキャリアにおいて世界中のフットボーラーが望むようなタイトルを全て獲得することができた。ただひとつのやり残したことを除いてね。当時のラ・レアルは優れたクラブだったが、今やチャンピオンズリーグのクラブだ。僕は生涯のクラブでベストを尽くすためにすべてを捧げる」と覚悟を誓った。

 またオドリオソラは、5年ぶりとなる古巣復帰劇にも言及。レアル・マドリードでの日々を回顧しながら同選手は「正直に言うと、この瞬間を夢見た夜もあった。ラ・レアルとレアル・マドリードは、僕が故郷に帰れるに尽力してくれた。レアル・マドリードの選手として対戦したときにチームメイトは、(アノエタの)ピッチとそこから生まれる雰囲気に驚いていたよ。何よりも、僕自身がその光景を外から見て、とても羨ましく思った」と告白。続けて「レアル・マドリードはフットボールはもとより、人生の修士号だ。きっと変わったこともある。僕が男として成長したようにね。でも、アノエタで右サイドを駆け抜けていた少年のような情熱は残り続けている」と思いを巡らせた。

 2000年代以降はカンテラ(下部組織)に投資してきたレアル・ソシエダ。MFマルティン・スビメンディやFWミケル・オヤルサバルといったラ・リーガ屈指の選手を輩出し、同選手らがクラブを10年ぶりとなるチャンピオンズリーグ出場に導いた。同じくカンテラーノのオドリオソラは「レアル・ソシエダが長いこと取り組み続けてきたプロジェクトが今、実を結んでいる。僕はすべてのトレーニングをスビエタで受けてきたし、クラブが植え付けた価値観を常に持ち続けているよ。イマノル(・アルグアシル)という偉大な指導者がいて、(下部組織在籍時代に)ウイングとしてプレーしていた僕をサイドバックにコンバートしたのも彼なんだ」と言及。さらに「僕はトップチームを夢見たカンテラーノとしての経験をもたらすことができる。後輩へのアドバイスはただ一つ、それは働くこと。スビエタは選手だけではなく、人間も育てているからね」と語っている。

 レアル・ソシエダを22歳で退団した“少年”は世界最高峰のクラブで酸いも甘いも噛み分け、今夏に戻ってきた。27歳、プロキャリアにおける最盛期を過ごすオドリオソラは、不変の情熱と経験を以って、再び『アノエタ』の右サイドを駆け抜ける。

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