
<CPKC女子オープン 事前情報◇22日◇ショーネシーG&CC(カナダ)◇6685ヤード・パー72>
大の阪神タイガーズファンとして知られる勝みなみにとっては、今年は最高のシーズンだろう。すでに優勝マジックも点灯し、セントラル・リーグの王者“アレ”にまっしぐらのタイガース。貯金は今シーズ最多の26、マジックは24と、もはやタイガースの優勝を疑う者はいない(かもしれない)。そんな状況には、勝も頬が緩みっぱなしだ。
「今年優勝しなかったらおかしい」と興奮気味に話す。「自分の優勝でも泣かなかったけど、優勝したら泣きます。日本シリーズに優勝したら3日ぐらい泣きます(笑)」と、これまで溜めてきた涙があふれる可能性も出てきた。
勝はご存じ1998年度生まれの黄金世代。以降、タイガースが日本シリーズに進出したのは2003、05、14年の3度。03、05年はセ・リーグ優勝だが、14年は同2位でクライマックスシリーズを制して日本シリーズに進出。だが、王座に就くことはなかった。最後に日本一に輝いたのは、いまや伝説となっているバース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発が飛び出した1985年。実に38年ぶりの栄冠に向け、勝も祈る毎日だ。
米ツアーを主戦場とする勝にとっては、なかなか日本で生観戦とはいかない。それでも勝には一つの願望がある。このままタイガースが優勝し、日本シリーズ進出となれば、大一番は11月。その頃は自身の米ツアーも大詰めを迎えているが、「始球式をしたい!」というのがそれだ。「それまでにシードも決めて」と、来年の出場権も確定させ、心置きなくタイガース戦に赴き、加えてマウンドからファーストピッチを投げるのが夢だという。
クライマックスシリーズの勝ち上がり、そして日本シリーズの戦いへ。そのとき、晴れのマウンドに勝の姿はあるのか。もし呼ばれるとすれば、『アメリカツアー優勝者の勝みなみさん!』というアナウンスとともに呼ばれるためにも、タイガースばりの快進撃で、ここから突っ走ってみせる!(文・高桑均)