東急東横線の「Q SEAT」本格運行開始 “座れる有料車両”なぜ「急行」に? 相鉄線などへ拡大するのか

東急大井町線に続き、東横線でも座席指定列車「Q SEAT」が運行開始します。渋谷発、元町・中華街行きの下り急行列車にのみ設定されますが、なぜ急行なのか、また今後は直通路線へも拡大するのか、東急電鉄に聞きました。

大井町線と基本は同じ

 東急電鉄では、すでに大井町線で運行されている有料座席指定サービス車両「Q SEAT」。2023年8月10日(木)の夜間帯より、ついに東横線(渋谷~元町・中華街)でもサービスを開始します。それに先立つ8日(火)、報道陣へ向けお披露目が行われました。  もっとも東横線の「Q SEAT」は、実はロングシートモードとして2022年10月下旬から運行されていました。座席は一部の10両編成のうちの4・5号車。車体全体が赤くラッピングされ、また大きく「Q SEAT」のロゴが掲出されているので、気づいていた人も多いでしょう。この列車がいよいよ、クロスシートモードで運行されるというわけです。

 東横線の「Q SEAT」も、基本は大井町線と同様です。異なるのは「Q SEAT」車両が編成中2両に設定されたこと。座席総数は90席です。フリーWi-Fi、全席への電源コンセント、カップホルダー(一部)が備わり、ヘッドレストも付いています。

なぜ急行列車に設定した?

 使用車両は5050系電車です。「Q SEAT」は計4編成に設けられましたが、1日に運行されるのは3編成です。ダイヤは渋谷発19時35分、20時05分、20時35分、21時05分、21時35分の計5本。混雑を避けるため、比較的遅めに設定したといいます。 停車駅は急行列車と同様で、横浜駅まで有料の座席指定列車として運行されます。みなとみらい線区間である横浜~元町・中華街間は、クロスシートのまま指定席券なしで利用できます。

 指定席券の値段は、大人・子ども同額の500円。インターネット上の「Qシートチケットレスサービス」(クレジットカードのみ)または駅窓口(現金のみ)で購入できます。払戻し手数料は1席100円です。 ところで東横線には急行のほか、より速い上位種別として通勤特急と特急が存在します。「Q SEAT」をあえて急行に設定した理由について、東急電鉄の広報担当者は「他社線と交わるなど、現状ではターミナル駅での利用を多くいただいています。急行はターミナルとなる全駅に停車するため設定しました」としています。 では今後、発駅を直通運転する東京メトロ副都心線内としたり、着駅を相鉄線内としたりする予定はあるのでしょうか。前出の広報担当者は「現時点で検討していることはありません」と話しました。

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