警視庁のパトカーに「桃太郎」ステッカーなぜ? 台数わずか3%の激レア“ピーポくんの先輩”

東京23区の北半分を主に担当している警視庁「第二自動車警ら隊」のパトカーには「桃太郎」のステッカーが貼られています。すでに半世紀近くの歴史あるオリジナルマスコットについて、警視庁に経緯を聞きました。

警視庁パトカーで貼られているのは40台ほど

 警視庁は日本の首都・東京の治安を守る日本最大の警察組織です。警視庁には約1300台のパトカー(パトロールカー)が配備されていますが、そのなかのごく一部の車両のみでしか見られないのが「桃太郎」のステッカーです。 ステッカーが貼られているのは、パトカーの車体後部、トランクリッド(蓋部分)の後面です。色も白黒のモノトーンであることから、近くで見ないとなかなか判別できないかもしれません。

 ただ、その存在を知っている人の話によると、かなり昔からあったとのこと。パトカーがモデルチェンジして新車が入っても連綿と貼られ続けてきた“伝統の”キャラクターだといいます。とはいえ、詳細は公にされていません。 警視庁には公式マスコットとして「ピーポくん」がいますが、同じように警視庁でPRに使っている場面は、まず見たことないそうです。知られざる、でも昔からいる警視庁の「桃太郎」について、警視庁広報課に聞いてみました。 そもそも、このステッカーを貼った車両の所属についてですが、それについては桃太郎のイラスト下にある「二自ら」という単語が示すとおり、「第二自動車警ら隊」です。同隊によると、そのステッカーを貼っている車両は30台から40台程度だそうで、前出の警視庁のパトカー総数から割り出すと約3%のパトカー(警察車両)にだけ見られる特徴だといえるでしょう。 第二自動車警ら隊は、警視庁地域部直轄の執行隊で、東京23区の北部および東部エリア、新宿区や中野区、杉並区、文京区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、台東区、荒川区、足立区、江東区、墨田区、葛飾区、江戸川区をおもに担当区域として受け持っています。機動的かつ広域的に活動するため、特定の警察署に所属せず、パトカーを使って常に動き回っているのが特徴です。

名前や階級はあるの?

「桃太郎」ステッカーを始めた経緯について聞いてみると、1974(昭和49)年に作成されたとの記録が残っていたと答えてくれました。よく知られた「ピーポくん」が生まれたのは1987(昭和62)年のため、かなりの“大先輩”といえそうです。ただ、発案に至った経緯や製作者などは、記録が残っていないため不明とのことでした。

 そこで、なぜ桃太郎なのか聞いてみると、おとぎ話の桃太郎は困っている人を助け、正義のために働くイメージであることから、警察官として桃太郎のような精神を持ってほしいとの想いを込めモチーフにしたのだそう。 しかし、カラー版はなく、あくまでも白黒のモノトーンのみ。加えて名前や階級はなく、第二自動車警ら隊でもパンフレットやシールなどにしてイベントや各種活動などで使用することもないため、パトカーに貼っているだけなんだとか。 なお、第二自動車警ら隊のパトカーにしか使っていないため、ステッカーは新しい車両が隊に配車された際に隊員の手で一つ一つ貼っているのだそう。長く続いているものなので、現場では今後も貼っていきたいと考えているとのことでした。 まさに知る人ぞ知る警視庁の“キャラクター” です。ちなみに、岡山県警にも桃太郎がモチーフのマスコットがいます。こちらは「ももくん」と「ももかちゃん」。誕生したのは「ももくん」が1990(平成2)年、「ももかちゃん」が2009(平成21)年です。「ももくん」は、やはり桃太郎が持つ「気は優しくて力持ち」というイメージで描かれているそうです。

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