
シャフタールからチェルシーに完全移籍したウクライナ代表FWミハイロ・ムドリクは、新天地でのサラリーが比較的低めに設定されているようだ。18日、イギリスメディア『アスレティック』が報じた。
現在22歳のムドリクはアーセナルへの移籍が濃厚とされていたが、最大2031年夏までの長期契約でチェルシーに完全移籍。チェルシーはシャフタールに対し、固定で7000万ユーロ(約97億円)、ボーナス最大3000万ユーロ(約42億円)の移籍金を支払う。
ただ、移籍金と比べると、ムドリクのサラリーは抑え目に設定されているようだ。『アスレティック』によると、その週給は9万7000ポンド(約1542万円)。これは、控えに甘んじるMFルベン・ロフタス・チークの15万ポンド(約2385万円)やレヴァークーゼンに期限付き移籍中のFWカラム・ハドソン・オドイの12万ポンド(約1902万円)を下回る。FWラヒーム・スターリングに至っては、ムドリクの3倍以上だという。
今シーズンの初めからチェルシーを経営するトッド・ベーリー氏ら新オーナー陣は、血の入れ替えとともに、チームの給与ベースを引き下げることを明確に意識している。フリー移籍で高給のベテランを獲得するよりも、働き盛りの若手をその半分の年俸で長期的に稼動させる方が理にかなっているという考え方だ。なお、ムドリクだけでなくDFブノワ・バジアシーレやFWダヴィド・ダトロ・フォファナとも異例の長期契約を結んでいるが、移籍金は契約年数に応じて各年度に分割して費用計上(減価償却)できるため、ファイナンシャル・フェアプレー規則への抵触を避ける目的もある。
仮に獲得した選手が期待外れに終わっても、他クラブが比較的アクセスしやすい給与であれば売却先に困らないことも利点の一つだ。また、「活躍した選手たちが昇給を求めて交渉の席に座ることを排除するものではない」とも『アスレティック』は伝えている。
派手さの裏に堅実性も垣間見える新生チェルシーの補強戦略。過去に類を見ない経営がプレミアリーグでも成功するのか要注目だ。