
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。冬のゴルフ、楽しんでいますか? それとも、寒いうちは体を鍛えたり、おうちでパット練習などをしてお過ごしでしょうか? いずれにしても、ケガなどしないように楽しんでください。
さて、この時期、開幕に向けてプロたちは一生懸命トレーニングや練習をしているというお話は先週しましたね。今週は、そのプロたちが挑む2023年のツアーについて、少しお話ししましょう。
昨年の前半は怒涛の勢いで勝ち星を重ねた西郷真央さん、後半は年間女王となった山下美夢有さん。その1年前は稲見萌寧さん、古江彩佳さん。こんなふうに、ツアーの目玉となって活躍する選手が次から次へと出てくるのが、層が厚くなった現在の日本女子ツアーです。
昨年2勝した川崎春花さんや2週連続優勝した岩井千怜さんのような新しいヒロインが彗星のように現れることもあり、23年もふたを開けてみないと誰が活躍するかわからない、というのが正直なところです。
その反面で、実力者が増えたぶん、何年も続けて活躍することが難しくなってもいます。たとえば、稲見さんは20-21年シーズンに9勝していますが、22年は2勝しかできていません。それでもメルセデスランキング3位ですから、悪い成績ではありません。ただ、前の年の勢いがすごかっただけに、なんとなく物足りない感じがしてしまうのは仕方のないことなのでしょう。
山下さんが今年、どれだけ頑張れるか、というところにはもちろん注目していますが、個人的には昨年後半、やや失速気味だった西郷さんが23年、どんなプレーを見せてくれるのか、とても興味があります。最終戦では最下位と苦しんでいましたが、最後まで練習を続けて試合に挑み続けていたと聞いていますので、再びいいプレーを見せてくれるのを待ちたいと思います。
何度も優勝争いをしながら初優勝に手が届かなかった菅沼菜々さん、ツアー3勝目にあと一歩だった吉田優利さんのふたりにも期待しています。特に吉田さんは、安定したオールラウンドプレーヤーという印象で、守りながら攻めるというゴルフができる選手です。優勝するかどうかは、運という部分が必ず入ってくるので、勝てなくてもコンスタントに上位にいるのは実力があるからです。
ベテラン選手にも引き続き頑張って欲しいと思います。11年ぶりの復活優勝を飾った金田久美子さん、藤田さいきさん、ずっと安定している上田桃子さん、菊池絵理香さんがそれぞれ何勝するのか。しっかりシード権を確保した穴井詩さん、テレサ・ルーさん、永久シードまであと4勝の申ジエさん、40歳になっても踏ん張り続ける全美貞さん……。彼女たちのプレーぶりは、若手にとって大きな目標になることでしょう。
川崎さんや岩井さんにとって、2年目の今年はある意味正念場でもあります。ツアーに慣れるということのいい部分も大変な部分も実感しながら、結果を出し続けることができるのか。その辺りも気にしながらツアーを見ていきたいと思います。
勝みなみさんはガッツリ米ツアーに行ってしまうようですし、西村優菜さんもアメリカで出られる試合があれば出るようなので、畑岡奈紗さん、笹生優花さん、渋野日向子さん、古江彩佳さんともども、こちらからも目が離せません。
こうして見渡しただけでも、数多くの選手の名前が挙がります。今年もますます日米の女子ツアーから目が離せないのは間違いのないところかと思います。
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。