
産休・育休中の健康保険や年金、税金の支払いはどうなるの?
専門家の回答
産前産後休業の期間中(ただし、産前42日(多胎の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠出産を理由として勤務しなかった期間に限られます。)の社会保険料の保険料は免除されます。
なお、免除される社会保険料とは厚生年金保険料と健康保険料です。育児休業期間中についても、厚生年金保険料と健康保険料は免除されます。保険料は免除されますが、給付額については、この期間も支払ったものとして計算されます。
なお、産休及び育休期間中の社会保険料の免除は、会社が年金事務所か健康保険組合に申し出ることが必要ですので、会社に手続きを取ってもらう必要があります。
また、育児休暇からの復帰後、時短勤務などで受け取る給与が下がっても、厚生年金保険料は子どもが3歳までの間は、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みがありますので、会社に確認してみてください。
これは、養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないようにするための措置です。
産休・育休中の税金ですが、産休・育休中は無給のことが多いと思いますので、所得税については、無給であれば当然支払う必要はありません。他方、住民税は、もともと前年1年分の所得に対して課税されるものですので、産休・育休中であっても前年の収入があれば支払わなければなりません。住民税は前年分につき毎年6月から12分割して毎月の給与から天引きにて支払うのが通常ですが、産休・育休期間中は、給与がないのが通常ですので、市区町村から納付書が届いて支払う場合もあれば、事前に会社に一括して支払う(産休開始前の給与から一括して天引きなども)場合もあります。
その代わり、産休・育休を取得した翌年の住民税は、前年の所得に応じて課税されますので、産休・育休中が無給の場合は、以前より少ない負担となりますし、0円になることもあります。
(弁護士:籔之内 千賀子)