優勝を決めるプレーオフで14本のクラブ規定違反が発覚し、それによりペナルティが科された選手が、勝利から一転、敗北するという結末を迎えたのが先週の国内女子下部ステップ・アップ・ツアーの今季最終戦「京都レディース」。そのプレーオフで一度は勝利をつかみながら、その後、ペナルティが科され2位に終わった黄アルム(韓国)が、悔しさを吐露する直筆の手紙をSNSに投稿した。
「京都レディスで私にあったことを書いてみます」(原文ママ)という手紙では、まず以下の状況が説明された。
①クラブはプレーオフ以降にバックを下した後に発見
②空白の間は誰も分からないと証言(LPGAは推定で決める)
③選手が悔しいし、納得がいかないと再会議を要請→却下
そこからは「悔しい理由」が訴えられた。「プレーオフが始まるとき、(超過クラブが)私のバッグにあった証拠、私のバッグになかった証拠、証言どっちもない状態で、推定だけじゃ判断が難しい。証拠または私の意見も聞き再会議またはルールブックをみてほしいと要求→行動なし」など、その際のやり取りも記されている。
そして「一番悔しいところ」として、「該当選手が異議を提訴、また納得がいかないという発言にも協会側は証拠集め、または何の行動(例:ビデオ判定など)もなしで一方的な通報」とも訴えた。「推定だけじゃペナルティーは納得いかないと何回も説明」、「私も悔しいですがこれは悪用しやすい」と締めくくった。
黄は手続きのミスにより、今週から始まる1次QTに参加できないが、もしこの試合で優勝していれば、ステップ優勝の権利で最終QTに参加することが可能だった。黄はインスタグラムに「多くの仲間からのなぐさめメッセージありがとうございました。あしたからがQTの始まりで、私が黙ってればみんなが忘れてQTに集中すると思いましたが、このままいると逆にみんながQTの時まで集中できないと思ったので書きます」という投稿も添えた。
またこの時、プレーオフで対戦した藤井美羽は、自身のインスタグラムで「本当に気持ちが複雑で、こういう形になってしまって正直胸が痛いです」など心境をつづっている。
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は23日に、この裁定に関して正式な声明を発表した。ステップ・アップ・ツアーは1組に1人のキャディがつく仕組みで行われており、ラウンド後に2選手とキャディから聞き取り調査を実施。そこではプレーオフを終えた2人がカートでマスター室前に戻り、キャディバッグを降ろしクラブ確認を実施した際、アルムのキャディバッグに、アルムが所有するものではないクラブが1本多く入ってることが判明したことや、これによりゴルフ規則4.1b(14本のクラブの制限)が適用され、アルムのプレーオフ1ホール目に2打罰が科されたことなどが記されていた。
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