中1の道上稀唯がステップ史上最年少13歳26日で予選通過 土壇場パーセーブでの快挙に「めちゃくちゃうれしい」

<SkyレディスABC杯 2日目◇8日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6675ヤード・パー72>

しびれる場面でも13歳の道上稀唯(みちうえ・きい)は落ち着いていた。最終18番パー5。グリーン左ラフからの3打目はピン手前5メートルで止まった。予選カットスコアは自分のスコアと同じトータル3オーバーだった。アウトの第1組スタートとはいえ、最後の最後で転がり落ちたくない。しっかりラインを読んで、カップイン。予選通過圏内をキープして、あとは確定を待つだけだった。
「18番は最初はフックと読んでいました。でも、同じようなラインから先に打った星野(杏奈)選手のパットが右に外れて、スライスすることが分かって、左カップを狙ったら入りました。本当は2オンを狙おうと思っていました。セカンドはピンまで205ヤード。普通に届くけど、予選通過がかかっていたので刻みました。めちゃくちゃうれしいです」

4月に兵庫・滝川二中に入学し、9月に13歳になったばかり。13歳26日の予選通過はステップ・アップ・ツアーでは史上最年少。2週前の「中国新聞ちゅーピーレディース」で1学年上の寺岡虹(てらおか・こう)が作った13歳263日をあっさり更新した。その試合がツアーデビュー戦だった道上はトータル8オーバーで予選落ち。

「ちゅーピーのときに虹ちゃんが新記録だってことを知りました。今週はショットもパットも調子が良かったので、予選を通ることができるかなと思っていました」。16番パー3はピン手前のカラーから15ヤードをチップインバーディ。「最初はパターかなと思ったけど、得意のウェッジにしました」。予選通過を手繰り寄せた一打もマネジメントの勝利。13歳は冷静に状況を見極めるクレバーさも持っている。

4歳からゴルフを始めた。8月の「日本ジュニア」を制した3学年上の兄・嵩琉(たける、滝川二高1年)が通う練習場について行ったのがきっかけだった。「球を打ったらすごく楽しかった」とすぐに熱中し、めきめきと上達した。

21年と23年に「世界ジュニア」で優勝。「将来の夢は米ツアーで勝つこと。目標はネリー・コルダ選手です。東京オリンピックの金メダルはカッコよかった」と将来の世界一を夢見て、練習に打ち込んでいる。

身長は151センチ。「160センチにはなりたい。めちゃくちゃ食べて、頑張っています」。ドライバーショットは「よく飛んで240ヤードです」。上半身を目いっぱい捻転させ、首を大きく傾げる独特のスイングについては、「ゴルフを始めたときから、とにかく飛ばしたかった。大きく振ったら飛ばせるかなと自分で考えて振っていたら、こうなりました。体ですか? どこも痛くないです。大丈夫です」と笑った。

ツアー2試合目で決勝ラウンドに進んだ。「もう予選落ちとかはないので、思い切り自分のゴルフをやるだけです」。練習拠点としている兵庫・チェリーヒルズGCで先週開催された「日本女子オープン」は滝川二高出身の堀琴音が優勝した。「応援していました。滝二の先輩に私も続きたいです」。小さな体には無限の可能性が詰まっている。(文・臼杵孝志)

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