
6年間続いた米PGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の後継トーナメントとして「ベイカレントクラシック」(10月9~12日、神奈川県・横浜CC)が開幕する。松山英樹やコリン・モリカワ、ザンダー・シャウフェレ(ともに米国)らメジャーチャンピオンを始めとした米ツアーの強豪に加え、米ツアーを主戦場にする久常涼、欧州ツアーでプレーする中島啓太、日本ツアーで調子を上げている石川遼らの参戦も決まり、徐々に盛り上がりを見せている。
しかし、タイトルスポンサーの株式会社ベイカレント(本社・東京)のことを知っているゴルファーは少ないのではないか。同社は2023年から2年間、ZOZOチャンピオンシップのサブスポンサーを務めていたが、知名度アップにはそれほどつながっていなかった。それでも同社の阿部義之代表取締役会長は、昨年12月の記者発表会で「PGAツアーの高いホスピタリティを目の当たりにして、最高峰の価値を提供していると感じました」と、この経験によりPGAツアーの質の高さを実感。「この大会に我々がスポンサードするということは、我々の国内外での知名度、付加価値を向上できると考えました」と経緯を話している。
そこで気になってくるのが、同社が何をしている会社か、ということ。開催発表のニュースリリースでこう説明している。
「様々な業界の⽇本を代表するリーディングカンパニーに対し、戦略・デジタル・オペレーションなどの幅広いテーマを支援する⽇本最⼤級の総合コンサルティングファームであり、トップマネジメントの意思決定をサポートする全社戦略や事業戦略の⽴案、 デジタル技術を活⽤したビジネスオペレーションの検討⽀援等、クライアント企業の直⾯する経営アジェンダを解決するための企画検討や実⾏⽀援を⾏っております」
コンサルティングファームと言われても、ピンとこない方も多いはず。要は企業が直面する経営・業務上のさまざまな課題に対して、専門的な知識や分析力を用いて解決策を提案し、その実行をサポートしていく会社で、同社のミッションについて「その専⾨知識とネットワークは、ハイテク、メディア、通信、⾃動⾞、医療、⾦融機関など、幅広い業界における問題の解決を総合的に支援してきました」と明かしている。
米ツアーでは1995年にアンダーセン・コンサルティング(のちのアクセンチュア)がこの業種の先駆けとしてスポンサーに名乗りを上げ、マッチプレーの第1回大会には日本代表として倉本昌弘が出場し、その後、佐々木久行(故人)も参戦した。バブル崩壊以降、日本の企業もコンサルティング会社の手を借りるようになってきており、その傾向は顕著となっている。
ベイカレントにとっても、国内はもとより世界的知名度と業績アップにつながるとの狙いが主催の裏にあることは間違いないようだ。(取材・構成/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗)
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