
<SkyレディスABC杯 初日◇7日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6675ヤード・パー72>
第2回リランキングで49位となり、終盤戦の出場権を逃したルーキーの青木香奈子は2バーディ・4ボギーの「74」で2オーバー・67位と出遅れた。
ステップ・アップ・ツアーには、今年6月の「ユピテル・静岡新聞レディース」以来の出場。ステップで唯一の4日間大会は、今年は無観客となったが、「すごく緊張感のあるなかでプレーができた。なかなかバーディパットを決め切ることができなかったのが残念ですけど、ありがたいことに賞金も高いので頑張りたい」と巻き返しを誓った。
プロデビュー戦となった3月の「Vポイント✕SMBCレディス」で13位に入り、一躍注目される存在となった。だが、レギュラーツアーは9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」まで20試合に出て、デビュー戦の成績を超えることはできなかった。16試合で予選落ち。44ラウンドのうち、60台で回ったのは、8月の「ニトリレディス」2日目の「69」の一度しかなった。
グリーンに近づけば近づくほどレギュラーの壁を痛感した。「パターとアプローチの精度はとんでもなく高いと思いました」。自分には何が足りないのか、何が必要なのかを思い知った。2週前のミヤギテレビ杯の2日目には青木瀬令奈と初めて同組で回った。パット&小技の名手は、悩めるルーキーにとって、またとない教科書だった。
「本当にすごいと思った。そこからアプローチのレパートリーを増やそうと決めました。いままでは58度のウェッジ一本。転がすときもフェースをかぶせてやっていた。いろんなクラブを使って、いろいろ対応していかないとダメだと思い、今週から試しています」
特等席から見せてもらったツアー通算5勝のテクニック。しっかり記憶して、出直しの今週から早速実践。17番パー4ではグリーン手前のラフから52度のウェッジを握り、1.5メートルほどショートしたが、パーセーブ。残り185ヤードから2オンに成功した最終18番パー5のバーディにつなげた。
「スピンをかけないで転がすアプローチは、2段グリーンの上の段のすぐのところにピンが切ってあるときとかに、すごく有効になる。ピッチングウェッジとかでも、いろいろ試しています」
プロ1年目のシーズンも終盤。視線は来季の出場優先順位を争うQTをしっかり見据えている。「今週の目標は引き出しを増やすこと」。国内開催のステップでは最高額となる賞金総額4000万円の4日間大会。「もちろん結果も求めながらです」と25歳の人気プロは茶目っ気たっぷりに笑った。(文・臼杵孝志)