
<日本女子オープン 2日目◇3日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>
1打差2位から出た堀琴音が満点ラウンドで単独首位に立った。フェアウェイキープ率は92.86%で、外したのは最終18番パー5の一度だけ。前週まで81.2169%で今季1位を快走するフェアウェイキープ率の精度をさらに上げ、チャンスの土台をつくり上げた。
曲げないドライバーショットに加え、グリーンを狙うショットも完璧だった。パーオン率は100%。5バーディ・ボギーなしの「67」に、「全体的に安定していた。ショットは初日よりよかったし、パッティングもタッチが合っていた。練習ラウンドまでは正直そんなによくなかったのに、ビックリしています」とプロ12年目の29歳はご機嫌だった。
徳島出身だが、コースのある兵庫とは縁が深い。高校は神戸市の滝川二高に進み、それまでもツアー2勝の姉・奈津佳と一緒に高速バスに乗って、神戸市内のアカデミーに通って腕を磨いた。2014年のプロテスト合格後も神戸に拠点を置き、姉と母・貴久恵さんの3人で新神戸駅に近いマンションに住んでいた。
第二の故郷ともいえる場所での「日本女子オープン」は5年連続12度目の出場。16年(烏山城CC二の丸/三の丸C)は2位、22年(紫CCすみれC)は7位とトップ10には2度入っている。「大会の雰囲気が好きです。コースが違っていても、メジャー独特のものがあるので好きなんです」。首位に立つのはプロ転向後通算12度目。メジャーでは16年の日本女子オープン第2ラウンドで経験があるが、そのときは畑岡奈紗が逆転して1打差の2位に泣いた。
「あと2日、こういうゴルフができればいいけれど、試練はあると思う。それをしっかり乗り越えていきたいです」
昨年12月25日に同い年の一般男性と結婚した。21年に交際がスタートした記念日のクリスマス婚。最終日を首位でスタートした4月「KKT杯バンテリンレディス」は、新居のある東京から最終日の朝に夫が応援に駆けつけてきてくれたが、V逸の4位に終わった。そのとき以来となる優勝の好機。心に期するものはある。
「自分の誕生日は3月3日で、交際3年で結婚。3は自分には縁がある数字だと思っているので、絶対に3勝目を挙げたいんです」。結婚したときに心に誓ったミセスV。今週決めれば、3年ぶりの優勝とさらに“3”が加わり、日本一のタイトルもついてくる。(文・臼杵孝志)