
<日本女子オープン 2日目◇3日◇チェリーヒルズゴルフクラブ(兵庫県)◇6616ヤード・パー72>
「ナショナルチームのユニフォームを着て日本女子オープンでプレーできるのは誇りです」
15歳のアマチュア廣吉優梨菜(福岡第一高1年)は、ウェアについた日の丸に恥じないプレーを女子ゴルファー日本一を決める大会で続けている。2日目を終え、首位と2打差のトータル9アンダー・4位タイ。今大会の最終予選会で通過に失敗し、繰り上がりで出場権を得たのが開幕4日前のことだったためドタバタで迎えた本戦だが、堂々の戦いぶりだ。
ナショナルチームは、大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)が選出するアマチュアの日本代表。今年度は男子8人、女子7人の計15人が選ばれている。廣吉は女子の最年少選手。その選手たちは“日本オープン”に揃いのユニフォーム姿で出場するのが、おなじみの光景となっている。
ただ今年は岩永杏奈、長澤愛羅、新地真美夏がシンガポールで行われている「世界女子アマチュアチーム選手権」に出場しているため、ナショナルチームからの出場者はたったひとりになった。ちょっぴり寂しさも感じるが、「あっちはあっちで頑張って欲しい」とエールも送る。
「引き続き、ショットがよかったです」と、5位発進した初日から調子を維持。前日に続き、パーオンに失敗したのはわずか1回だった。それも12番で手前の花道に落としたもの。「乗せたかったけど当たりが薄くて」と“100%”こそ逃したが、大きなミスが絡んだわけではない。
ちなみにこの後は2メートルのパーパットを残したが、これを沈めて切り抜けた。ボギーなしのラウンドだった前日から、この日は3パットなどで2つのボギーも叩いたが、「(パッティングのラインで)つけるところが悪かったし仕方ない」と冷静に割り切っている。
15歳とは思えない落ち着きぶり。性格は「マイペース」と自己分析する。「家ではテレビを見ると周りの声が聞こえなくなって。もう少し周りを見た方がいいと、よく言われます」。ただ、それがコース内での集中につながっているのかもしれない。
今週、廣吉を含めアマチュア選手は11人が予選を通過。ローアマ争いもし烈だが、「切磋琢磨しているので一緒に通過できてうれしい。“仲間感”が強いです」と話す。ただ、12位タイで決勝に進んだ2学年上の田村萌来美(もなみ)がライバル心を燃やしているという話を聞くと、「国体でも勝負して、その時(田村が)負けたから。今回も勝ちたいです」と笑顔で“応戦”した。
昨年の「日本ジュニア」(女子12歳~14歳の部)を制し、今年から“ナショチ”のメンバー入り。3日目次第では勝みなみが持つ日本人最年少優勝記録の15歳293日を上回る、15歳218日でのアマチュアVも意識することになる。「今は予選通過でホッとしています。まだ実感がないので、気にせずに頑張りたい」。2016年大会(烏山城CC二の丸・三の丸C)の畑岡奈紗以来となるアマ制覇の快挙へ。15歳は自分のペースを崩さない。(文・間宮輝憲)