
今年から米国男子ツアーを主戦場に戦う大西魁斗。日本ツアーでは今季3試合目となる「ロピアフジサンケイクラシック」でクラブセッティングを覗いてみた。
パター以外はすべて契約先のタイトリストで統一。ドライバーは2020年発売の『TSi3』をバッグインしている。大学時代から使い続けており、「打感もいいですし、ボールの食いつき感もいい」とお気に入りの一本だ。すでにGTシリーズもテスト済みで、最新モデルへの移行を視野に入れているが、今シーズンは『TSi3』を使い続ける予定だという。
一方で3番ウッドは最新モデルの『GT1』を使用。シリーズの中でも軽量で球が上がりやすい“やさしい”モデルだが、日本ツアーでは契約選手の飛ばし屋・幡地隆寛や米澤蓮もバッグインするなど、男子プロでも使用する選手が多いのも興味深い。
大西自身も「3番ウッドは難しいクラブ」と位置づけており、「構えた時のやさしさ」を求めてこのモデルにたどり着いた。また「簡単に球を上げられないと変なスイングになってしまう」と、高さを担保できる点も重視。さらに「ドライバーと打感も似ている」こともお気に入りポイントだ。
ウッドはドライバーと3番ウッドの2本のみ。シャフトはいずれもプロジェクトXの『ハザーダススモークRDX』を採用している。日本ではあまり馴染みがないが、米ツアーでは使用者が多いシャフトだ。今のシャフトは大学時代から継続使用しており、ブランド自体は高校時代から愛用しているという。
ウッド2本にハザーダスのシャフト。9歳で渡米し、長く米国で生活している大西らしい、まさに“アメリカン”なセッティングだ。
その下は、アイアン型ユーティリティ『T200ロング』(2021年モデル)の3番がバッグイン。なぜフェアウェイウッドを入れないのか。そのこころは「フェアウェイに置きに行きたいから」。5番や7番ウッドは高さが出やすい分、方向性がブレるリスクもある。一方でアイアン型ユーティリティならライナー系の弾道でフェアウェイをとらえやすいという考えだ。
4番も同モデルの2023年モデルをバッグイン。5番と6番は「少しずつ簡単な方向にいっている」と、ロングアイアンにも寛容性を求め『T250』をチョイスした。そして7番からピッチングまでは『T100』、ウェッジは50、56、60°の3本体制だ。
さらに、大西と言えば特徴的なのがアームロック式のパッティング。使用するパターは38インチで、「どれが一番再現性があるかを突き詰めている」うちに今のスタイルにたどり着いたという。「左腕がロックされて手首も使わなくなるので、安定性がある」と語る。使用するパターはオデッセイの『Ai-ONE CRUISER』だった。
ルーキーイヤーを戦う大西だが、今季はこれまで予選通過はわずか3度と苦戦が続いている。それでも、「とても楽しいし、学ぶことがたくさんある。無限に成長できる環境」と米ツアーで戦う日々を楽しんでいる。(文・齊藤啓介)
【大西魁斗の優勝クラブセッティング】
1W:タイトリスト TSi3(9.25度/ハザーダス スモークブラックRDX 60TX)
3W:タイトリスト GT1(14.25度/ハザーダス スモークブラックRDX 70TX)
3U:タイトリスト T200ロング(Tour AD DI-105 HYBRID X)※2021年モデル
4U:タイトリスト T200(Tour AD DI-105 HYBRID X)※2023年モデル
5I:タイトリスト T250(Tour AD DI-105 HYBRID X)
6I:タイトリスト T250(DG105 X100)
7I~PW:タイトリスト T100(DG105 X100)
50,56,60°:タイトリスト ボーケイ SM10(DG105 X100)
PT:オデッセイ Ai-ONE CRUISER JAILBIRD
BALL:タイトリスト プロV1x