
<スタンダード・ポートランドクラシック 最終日◇17日◇コロンビア・エッジウォーターCC(オレゴン州)◇6497ヤード・パー72>
今季から米国女子ツアーに主戦場を移したルーキー・岩井明愛が初優勝を成し遂げた。キャディとしてサポートしたアーロン・ランドリー氏も、その快挙を喜んだ。
今季から双子の妹・千怜と米ツアーに参戦。チーム岩井は明愛と千怜、ランドリー氏とマーク・ウォリントン氏が、3試合置きで交互にペアを組む“2×2体制”を取っている。昨年の最終予選会(Qシリーズ)で活躍する姿を見たウォリントン氏が、明愛のSNSにラブコールを送ってタッグ結成。ウォリントン氏がランドリー氏にも声をかけ、チームが完成したという。
「とてもユニーク。最初に交替したとき、どうすればいいかなって思ったけれど。でも今は、2人の選手のことが分かるようになった。だから、優勝するチャンスも2度あるんだと思っている。とてもエンジョイしている」
5月「リビエラマヤオープン」では、ウォリントン氏が千怜を支えて初優勝。そして今大会では明愛がランドリー氏のサポートを受けて勝利を挙げた。「とても落ち着いていて、忍耐強かった。いつもと同じように一日中、自信を持ってショットしていた。だからボクは、邪魔をしないようにだけしていた(笑)」と、この最終日を振り返る。
「キャディのアーロンともけっこう会話をした。それでリラックスできたというか、いい緊張感のなかで回れました」と明愛が話すと、ランドリー氏は「何回か、悪いジョークを伝えたよ」と笑う。「笑わせようと思ってね。アキは『理解するのに3秒かかる』って言うけれど、僕は『大丈夫だよ、5秒よりいい』ってね」。岩井姉妹にとって、コース上で歩みをともにするキャディは、一番身近な英会話の先生でもある。
42歳、キャディ歴16年目のベテランながら、選手の優勝をサポートしたのは初めて。「アキはJLPGAで勝っているけど、僕はLPGAで初めて。本当にうれしい」としみじみ。その勝利をもたらした明愛にとっても、「最終ホールでアーロンも初優勝というのは分かっていた。けっこうウルッとくるところがあって。良かったです。勝てて」と感慨深い。
姉妹での優勝は史上4組目、双子としては初の快挙。忘れられない1勝を手にした。ランドリー氏とウォリントン氏はこれからもチーム岩井の一員として、最強ツインズを支えていく。