
春日井カントリークラブの研修生、兼松亜衣はアプローチに悩みを抱えている。そんな兼松が『タイトリスト ボーケイウェッジコーチ』の肩書きを持つアプローチ専門コーチ、永井直樹のレッスンを体験。手前からバンスを滑らせずに、直接ボールにコンタクトする左足下がりのアドレスとは?
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【兼松】アプローチが苦手で、試合とかテストで緊張すると、打ち方が本当に分からなくなるんです。最近は怖いのでPWでパターみたいに打っています。
【永井】では、58度のウェッジで打つときはどんなミスが出やすいですか?
【兼松】ポッコンみたいにすくっちゃって、全然飛ばなかったり、低く出ることもありますね。
【永井】いろんな状況から見させてもらって、ライが悪いときにPWを持ちたくなるのはザックリを予期しているんだと思います。兼松さんはヘッドの最下点がボールの手前にきている。それだけならバンスが滑ってくれるけど、右ヒザが前に出て少し手元が浮くと、ウェッジの刃の鋭利な部分が出て、ザックリするんです。
【兼松】どうしたらいいですか?
【永井】まずは普通に構えてください。兼松さんは右肩が下がって、肩のラインが右を向いている。そこから左ヒジと左ヒザを少し曲げて、右ヒザを伸ばし、自分で左足下がりのアドレスを作る感じです。さらに、フェースを開いてハンドファーストに構えます。右肩が前に出るから、そのままカットに振って20ヤード打ってみましょう。
【兼松】音が変わりました。打感がすごくいいです。
【永井】ボールには当たっているけど飛ばなくなる。しかも、ボールの手前からヘッドを入れずに、直接ボールを打つのでザックリしにくいんです。これは23年の年間王者に輝いたビクトル・ホブランのコーチ、ジョセフ・マヨが提唱している打ち出し角を30度以下に低く抑え、入射角を強くしてスピンをかけるアプローチで、『ツアーチップ』と呼ばれています。
■永井直樹
ながい・なおき/1996年生まれ、愛知県出身。ツアープロを目指していたが、プロコーチの目澤秀憲に習ったことをきっかけにティーチングの道へ。現在は『タイトリストボーケイウェッジコーチ』として男女ツアー会場でウェッジのレッスンやフィッティングを行っている。
■兼松亜衣
かねまつ・あい/2001年生まれ、愛知県出身。JLPGAプロテスト合格を目指し、マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーに参戦しながら、春日井カントリークラブの研修生として腕を磨いている。
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残り50ヤードのアプローチになると、左足を引いたオープンスタンスで構えるゴルファーは多い。関連記事【ツアープロはスクエアかクローズ? 残り50ヤードでミスする原因は、左足を引いたオープンスタンスだった!】では、オープンスタンスのデメリットについてアプローチ専門コーチの永井直樹が解説している。