
<大東建託・いい部屋ネットレディス 2日目◇25日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡)◇6503ヤード・パー72>
メルセデス・ランキング118位に低迷する新垣比菜がトータル5アンダーで3試合ぶりの予選通過を確実にした。午前6時40分にティオフし、4バーディ・2ボギーの「70」で回り、午前組の全選手がホールアウトした時点では15位。初日は今季41ラウンド目で初の60台となる「69」をマークするなど復調気配だが、本人は淡々と受け止めた。
「グリーンが柔らかくて、ボールが止まるのでピンデッドに狙っていける。ほかのコースではこのスコアは出ないと思います。なにも考えないでピンを狙っていけるので、結構、楽にやっています」
前週の「明治安田レディス」は3年ほど悩まされている左手首痛が再発して欠場した。「1カ月ほど前から痛みが強くなって、先週は特に痛くなってしまいました」。自宅のある沖縄に戻り、針治療などで痛みは治まった。練習はできるようになったが、基本は静養。「自宅でまったりして、ほっこりとした気持ちになりました」と元気も取り戻した。
昨季は5月の「ヨネックスレディス」で、2018年の初Vから6年ぶりとなる2勝目を挙げて4季ぶりにシードを復活させた。だが、今季はここまで17試合に出て、最高は「Vポイント×SMBCレディス」の45位。予選落ちは13度を数える。
「理由はわからないけど飛距離が落ちて、スコアがまとまらなくなってしまいました。ドライバーは10ヤードは落ちています。そこから、いろいろ考えすぎて、知らず知らずのうちに追い込まれて、メンタル的にもきつかったです」。誰もが認める生まじめな性格。それが災いし、なかなか出口の見つからないトンネルに迷い込んでしまった。
「でも、沖縄に帰って気持ちは安らぎました。あまり考え込むのはよくない。ゴルフも今週みたいに簡単に考えたほうがいいんじゃないかなぁと思います。楽しいと思えるゴルフをやりたい。今週をいいきっかけにしたいです」
災い転じて…の発想の転換。長丁場のシーズンも後半戦に入った。「考えすぎない」が新たなテーマの新垣にとって、今週はおあつらえ向きのバーディ合戦。なんくるないさ~の精神でピンデッドを貫き、輝きを取り戻す。(文・臼杵孝志)