
現役引退を発表した、メルボルン・ビクトリーに所属するGKランゲラックが、クラブ公式サイトにてコメントを残している。
“ミッチ”の愛称で親しまれるランゲラックは、1988年8月22日生まれの現在36歳。2010年にメルボルン・ビクトリーでプロキャリアを始めると、サウス・メルボルン、ドルトムント、シュトゥットガルト、レバンテ、名古屋グランパスと計6クラブに在籍。ユルゲン・クロップ氏に師事したドルトムントでは、ブンデスリーガやDFBポカール優勝を経験したほか、オーストラリア代表としても通算8キャップを保持しており、FIFAワールドカップブラジル大会のメンバーにも選出された。
そして、プロキャリア最長となる7年在籍した名古屋グランパスでは、公式戦通算287試合に出場。これは、クラブにおける外国籍選手の歴代最多記録となっている。また、J1リーグにおける連続無失点時間と、1シーズンの無失点試合数もダブルで更新。加えて、ルヴァンカップを2度優勝、ベストイレブンを1度受賞、固定性の背番号『1』の3代目継承者、クラブ史上初となる外国籍選手としてのキャプテン就任…とロッソジャッロのレジェンドとなった。
2025年冬に“始まりのクラブ”に戻ったランゲラックは、そこでプロキャリア最後の時間を過ごしたことに。生まれ故郷でスパイクを脱いだ“ミッチ”は、「メルボルン・ビクトリーでプロキャリアを始めた僕にとって、このクラブでプロサッカー選手としての最後の試合をプレーできたことが、本当に光栄なことなんだ」と始め、「海外で多くの年月を過ごしたなかで、ドイツ、スペイン、そして日本で大きな成功を収められたことは幸運だった。このキャリアを通して、ホームと呼べるクラブに感謝している。チームを引っ張り、成功に導くことは、あらゆる選手が究極の目標にしているもの。生涯でそれを達成できたことは、僕と僕の家族にとっても誇らしい瞬間だ」と自身の旅を振り返った。
また、「メルボルンに戻り、ここを再びホームとするというのは、ピッチで最後の時間を過ごすにあたって素晴らしい方法だった」と理想的な幕引きだと改めて口にしつつ、今後については、「選手として培った経験と情熱を、指導者としての新たなキャリアに活かせることを楽しみにしているよ。ビクトリーは常に勝利を目指しているから、僕もクラブの成功に貢献し続けたいと思っている」と指導者の道を歩むことを明かしている。
なお、メルボルン・ビクトリーのフットボールディレクター(FD)を務めるジョン・ディドゥリカ氏は、「ミッチはメルボルン・ビクトリーとAリーグの偉大なサクセスストーリーのひとつだ」と功績を称えた上で、「彼はメルボルン・ビクトリーのサッカー部門が重要視するクオリティを備えた、素晴らしい資産だ。次なる章へと進む今、ミッチの選手としての貢献に感謝するとともに、アカデミープログラムのコーチとして旅を続けられることを大変楽しみにしている」とクラブに残り続ける、と語っている。
名古屋グランパスひいては、Jリーグに大きな足跡を残したランゲラック。そう遠くない未来、今度は指導者として日本で活躍する日が訪れるかもしれない。