若きタイガーに勝った男 ツアー4勝のエド・フィオーリが72歳で死去

米PGAツアー4勝のエド・フィオーリ(米国)が、6日に亡くなった。72歳だった。奇しくも「ジョン・ディア・クラシック」の最終日と同じ日であり、不思議な縁を感じさせる。
1996年、フィオーリが最後に挙げたPGAツアーでの勝利は、ジョン・ディア・クラシックの前身にあたる「クワッドシティ・オープン」。その勝利は人々の記憶に深く刻まれている。

最終日、会場はタイガー・ウッズ(米国)のプロ初優勝を期待する熱気に包まれていた。20歳だったウッズはプロデビュー3戦目で最終日を首位発進し、一時は3打のリードを奪っていた。当時43歳のフィオーリも「タイガーが勝つと思った。素晴らしいプレーをしていたし、彼のトーナメントだった」と語っている。実際、比較的非力だったフィオーリのティショットよりウッズのほうが70〜80ヤードも前に飛んでいたという。

しかし、ウッズは4番パー4で“クアドラプルボギー”の「8」を叩き、7番でもダブルボギーを喫する大乱調。一方のフィオーリは「67」でウッズを逆転し、実に14年ぶりのツアー優勝を果たした。なお、ウッズはその2試合後の「ラスベガス招待」で初優勝を挙げている。

フィオーリは1953年、カリフォルニア州生まれ。1979年に「サザンオープン」でツアー初優勝。1982年には「ボブ・ホープ・デザートクラシック」で名手トム・カイト(米国)を下して3勝目を挙げた。2004年にはシニアのPGAツアーチャンピオンズでも勝利したが、近年はガンとの闘病を続けていた。

「エド・フィオーリは真の紳士で、しばしばプロの中のプロと呼ばれた。どんなに不利な状況でも最後まで諦めずに戦い、底知れない力を発揮した。彼の死はツアー仲間全員から惜しまれるだろう」とPGAツアーチャンピオンズのトップ、ミラー・ブレイディ氏は追悼の言葉を寄せた。(文・武川玲子=米国在住)

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