
西村優菜は米ツアー唯一のダブルス戦「ダウ選手権」でマリア・ナム(米国)とペアを組み、予選落ちに終わった。1つのボールを交互に打つオルタネート方式の初日は、13番パー3で西村のティショットが池につかまってトリプルボギーを叩くなど「77」。バーディ合戦になるフォアボール方式(それぞれがプレーして良い方のスコアを採用)の2日目も「68」と伸ばしあぐねた。
出場優先順位183番目と出場機会が限られるナムが、インスタグラムのダイレクトメッセージを通じて西村に声をかけ、ペアを結成。「パッティングは2人ともカップに嫌われまくった。彼女のショットはけっこう良かったので、自分が足を引っ張ったなという感じ」。米3年目の西村にとって大会初出場。「楽しかった」と振り返るが、最後まで申し訳なさをにじませた。
ツアーは3月から始まった米本土での戦いがここでひと区切り。次戦からは欧州で3試合が行われる。そのなかには「アムンディ・エビアン選手権」(10日開幕、フランス/エビアンリゾートGC)、「AIG女子オープン」(31日開幕、ウェールズ/ロイヤル・ポースコールGC)も含まれる。西村はカテゴリー1に位置するシード選手ながら、これらの出場資格は今季のポイントランキングにも基づく。そのため、現在141位の西村は出場権を得ることができなかった。
とりわけ最近は、「エビアンに行きたい」と強く願ってきたが、欧州連戦は叶わないことに。次に米ツアーに戻るのは、8月14日開幕の「ザ・スタンダード・ポートランドクラシック」になる。およそ1カ月半の空白期間ができる。
この時間をどう過ごすか。頭のなかでいろいろと考えているが、「自分のなかでヨーロッパに行きたいっていう気持ちが強すぎて。それをまず受け止めきらないとムリかな…」ともらす。「1カ月何しよう…ってなっている自分も正直いる。リセットして、フラットにしてから考えたい」。まずは気持ちに向き合い、整理をつけ、再び歩みを進めていく。
日米共催「TOTOジャパンクラシック」を含む秋のアジアシリーズ4試合の出場資格は、ポートランドから4試合目の「クローガー・クイーンシティ選手権」終了時点のポイントランキングが基準になる。「アジア周り(の出場権)はけっこうハードルが高いと自分で感じている。まずはシード。そこに向けてもポートランドからの試合はすごく大事になる」といまの状況を冷静にみている。
シビアな戦いはまだしばらく続く。現実を受け止めながらも、眼差しには力強さが残っている。(文・笠井あかり)