「おじいちゃん、プロになるから」南海ホークスOBの孫・山本唯依が狙う日本タイトル

<日本女子アマチュアゴルフ選手権 3日目◇19日◇名神八日市カントリー倶楽部(滋賀県)◇6462ヤード・パー72>

平坦なコースでプレーすることが多い関東出身の選手たちの嘆きが、大阪・豊能町で生まれ育った山本唯依にはピンとこない。「アップダウン、ありますか? ホール内の高低差はあって7ヤードくらい。10ヤードもないでしょう。回りやすいし、ティショットも狙いやすい。コースとの相性はすごくいいと思います」。
関西のゴルフ場は左右にOBが控え、起伏に富んだコースが多い。そんな山岳コースで育った山本にとって、ここはフラットにさえ感じる。好調のドライバーを気持ち良く振り回した20歳が、3バーディ・2ボギーの「71」をマーク。トータル4アンダー・首位タイに躍り出た。

3歳からゴルフを始め、小学4年生のころにはプロになることを決めた。だが、猛烈に反対する人がいた。「ゴルフは楽しくやったほうがいいぞ」。母方の祖父で、かつてプロ野球・南海ホークスで投手を務めた中禮政博(ちゅうれい・まさひろ)さんだった。

中禮さんは1968年に大阪電気通信高から南海に入団したが、一軍での登板機会はなく72年に退団。その後はプロゴルファーを目指したが、プロテストに合格することはかなわず、3年前にこの世を去った。

「祖父にとってゴルフはしんどいものだったと思います。だから、『ゴルフは楽しくやりなさい』と言われ続け、プロになるのには反対されていました。でも、ずっと応援してくれていて、『どうやった?』と試合の結果とかをいつも気にかけてくれていました」

大阪学院大高時代には1年先輩に川崎春花、2年先輩には仁井優花、寺岡沙弥香がいた。今ではプロとして活躍する先輩たちに続こうと、これまで3度プロテストに挑戦。昨年は初めて2次予選を突破して最終プロテストに進んだが、合格ラインには4打及ばなかった。

「合格した人たちに比べて、ショットの精度が足りない。そういうところをずっと練習してきた。その成果が今週は出ていると思いたいですね」

昨年に続く2度目の出場で、女子アマ日本一にリーチをかけた。3人が首位に並んで迎える最終日。日本一のタイトルを天国の祖父に贈りたい。そして、胸を張って誓う。「おじいちゃん、今年こそプロになるからね」と。(文・臼杵孝志)

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