
<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇8日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>
母国・韓国ではキューティとビューティフルを合わせた“キューティフル”という愛称で人気のパク・ヒョンギョンが、その実力を日本のファンに見せつけた。2アンダーで迎えた最終9番では、7メートルのバーディパットを決めてガッツポーズ。「ボギーもあまり打たず(1つ)、最後のバーディパットが決まって気分のいい初参戦、初ラウンドでした」と、ニッコリと笑う。
愛称の通り華やかさを放ちながら、韓国ツアー通算7勝の実力を発揮した。キレのあるショットでチャンスを演出し、それをしっかりとものにしていった。「朝起きた時は、実は緊張してました。でも、初めての大会だけど、打ってみたら安定していました」。ピンチもあまりない、安定したラウンド。キャディを務める父とも息が合い、最後のパットについても「ターゲットの意見交換をしたら同じだったので、自信を持って打てました」と話した。
この日は1学年下の安田祐香、19歳の菅楓華という日本のトッププロと18ホールをともにした。「グリーンが韓国よりも速くて、前半はパッティングを合わせるのに苦労したけど、2人が自信を持ってプレーしているのを見て、参考になりました。素晴らしい選手です」と拍手を送る。そして14フィートを超える高速グリーンにも、徐々にアジャストしていった。
その道中、楽しそうに過ごす姿を見かけることが多かった。英語を駆使しながらコミュニケーションもばっちり。「私はいつも干し芋を持ってるんですけど、それを一緒にどう? って言ったり、こういうのをラウンド中に食べてるよ~とか、美味しいねって言い合ったり。日本でのかけ声は『ナイスショット』だけど韓国は『グッドショット』だから、そういう部分も違うね、など話してました」とニッコリ笑う。
同世代ということもあり、特に安田については「トモダチ!」と言うほど親交を深めたようだ。コースの雰囲気については、「ボギーだろうがパーだろうが、すごく拍手をして応援してくれる。その拍手を聞くたびに自信が強まりました。そういうギャラリーの文化には感動ですね」ということが印象に残る。それは朝、感じていた緊張感をすぐにほぐすのに十分なものだった。
昨年12月31日時点の世界ランキングで44位になり、同ランキング上位50位までに与えられる出場資格を得て来日。もともと日本の試合に出たいという思いは強く、これが好機と参戦を決めた。「ひとことでいうと満足した一日。期待以上の成績。グリーンがこんなに速いのにアンダーパーで終えられたのも満足。自分で自分をほめたいですね」。5位タイと上位で、週末行きがかかる金曜日のラウンドを迎える。
2日目は午後組でのプレーになる。「あしたは風が強そうなので、それも計算しながら。グリーンが速いので、しっかりボギーを打たないようにキープしたいですね」。すでにロープの外には応援団をしたがえるなど、今後、日本でも注目度が高まること必至だ。
「ヨロシクオネガイシマス、カワイイ、オツカレサマデシタ、アリガトウゴザイマス、オイシイ、イタダキマス、ミギ、ヒダリ、マンナカ…分かる日本語はこれくらいです」。同世代との楽しいラウンドで、そのレパートリーもさらに増えるかもしれない。(文・間宮輝憲)