
<インターナショナルシリーズ・ジャパン 初日◇8日◇カレドニアンGC(千葉県)◇7116ヤード・パー71>
アジアンツアーの高額賞金シリーズが日本で開催されることが決定すると、浅地洋佑は「よっしゃ」と心の中で小さくこぶしを握った。舞台に選ばれたのは、千葉県のカレドニアンGC。「実はメンバーなんです。けっこう得意なので、予想通りのスコアで上がれてよかったです」。地の利を存分に生かし、初日は5バーディ・1ボギーの「67」。4アンダー・9位発進を切った。
3月に開催が決定するとすぐに、スケジュールに組み込んでいた。昨年12月に行われた予選会に出場し、今季はアジアンツアーメンバーとしてすでに3試合に出場。そのうちインターナショナルシリーズはマカオ大会に参戦し、58位で終えている。
「フィールドに入ったのは先週なんですけど」と今大会も同メンバーとして出場権を獲得。そして、「中日クラウンズ」で4年ぶりに勝利を飾り、最高の形で乗り込むことができた。
涙の復活優勝を遂げた31歳のもとに、お祝いのメッセージは「400件くらい」届いた。「たくさんの方に連絡をいただいて、返すのが大変でしたが、全部返しました。優勝したんだな、という実感も湧きました」と喜びをかみしめた。その一方、今後の今季転戦スケジュールの組み方に悩み始めたという。
「日本ツアーのシード権は確保できたので、アジアンツアーに力を入れようかなと思ったり。でも(日本で賞金ランク)3位以内に入れればDP(欧州ツアー)に出られるチャンスがあるし…。いろいろ悩んでいるところです。(今週も)頑張ればシードに近づくし、いろんな選択肢が増えるということで、大きな意味があるのではないかなと思う」
海外挑戦について「欲を言えばアジアンも欧州も出たい。(日本を含めた)3つのツアーに出られたらいろんなところに行ける。移動は大変でも、経験できるのなら経験したい」と、意欲を見せる。今回のインターナショナルシリーズは、シリーズ全10試合のランキング1位の選手にはLIVゴルフの来季出場権が与えられる。そんな道も、魅力的なもののひとつである。
「きょうはパターが良かった。これに尽きます」と25パットにまとめてチャンスを決めていった。早朝からラウンドした初日を終えて、2日目は午後0時25分のティオフ。「天気が怪しいので、その日になっていろいろ作戦を練りたい」と戦略プランを立てた。(文・笠井あかり)